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 令和3年度 (10月24日実施) 浄化槽管理士 受験レポート

受験地:名古屋(中産連ビル)  天候:晴のち曇

  • 概要:

    • 浄化槽管理士は、浄化槽法において「浄化槽管理士の名称を用いて浄化槽の保守点検の業務に従事する者」として定められている国家資格で、環境大臣が浄化槽管理士免状を交付します。

    • 浄化槽法では、浄化槽の保守点検を業とする者(浄化槽保守点検業者)に、浄化槽管理士を現場に派遣して実地に保守点検を実施することを課し、また、浄化槽管理者が保守点検を委託する場合には、浄化槽管理士(浄化槽保守点検業者)に委託することを求めているため、保守点検対象となる浄化槽の浄化槽管理者以外の者が浄化槽の保守点検を行う場合(第三者の浄化槽の保守点検)に必要となる資格です。

    • ただし、上述の通り浄化槽の保守点検を業とする者と浄化槽管理者が保守点検を委託する場合に浄化槽管理士を必要とするものであり、浄化槽法には、浄化槽の保守点検そのものに浄化槽管理士が必要である旨は規定されておりません

    • 従って、自己の所有、占有、管理する施設の浄化槽を自己で行う場合(自主保守点検)については免状が必要ありません。しかし、一般人が保守点検をできるだけの知識、技量、機材を有していることはほとんどないため、ほぼ浄化槽管理士に委託されているのが現状です。 

    • 浄化槽管理士には、級や種別がありませんので、浄化槽管理士免状を有する者は、浄化槽の種類(処理方式)や規模(人槽)を問わず、すべての浄化槽法上の浄化槽の保守点検及や修理を行うことができます。

    • 浄化槽管理士免状には、有効期限はなく、更新もありません。免状は終身有効です。ただし、都道府県条例により、浄化槽保守点検業者に、業務に従事している浄化槽管理士に定期的に講習(研修)を受講させることを定めている場合が多く、これが事実上の更新として運用されています。

    • 類似の資格として「浄化槽設備士」がありますが、こちらは浄化槽設置工事を実地に監督する資格であり、工事の監督者のみが保有しておれば足り、工事に従事する者全てが保有する必要はありません。浄化槽管理士(保守点検、修理)とは行える業務が違い、また、相互に優劣関係もありません。

  • 取得方法

    • 国家試験を受験 (年1回、宮城、東京、愛知、大阪、福岡の5会場のみ) 20,200円 試験時間5時間 合格率20%程度 100問 5択

    • 講習を受講し、修了試験を受ける (各実施都市で年1回以上) 受講料129,000円 13日間 合格率80%程度

      • 仕事で本当に必要な方は、新人教育を兼ねて会社の費用負担で講習を受けて取得することがスタンダードのようなので、国家試験による取得はあまり行われていないようです。過去では、ど素人が受講しても、講習を聞いていれば修了試験に落ちることはない(合格率90%以上)というレベルの修了試験のようでしたが、近年では国家試験とともに難化しており、合格率も80%程度に低下しつつありますが、それでも、国家試験より試験問題も省略(40問、4択)で高い合格率となっています。

 

問題構成、時間

 

 

  • 問題用紙と受験票は各自持ち帰りとなります。

 

  • 問題構成
    • 7科目100問あります。
      • 概論 10問
      • 行政 10問
      • 構造及び機能 20問
      • 工事概論 10問
      • 点検、調整、修理 30問
      • 水質管理 10問
      • 清掃概論 10問
    • マークシート方式、5択
    • 1問1点、基本的に65点が合格点です。
      • 午前、午後試験の合計点数で採点されます。
      • 宅建士試験のように難易度調整が行われ、63〜68点程度の調整があります。
      • 科目別や午前、午後ごとの足切りはありません。あくまで合計点数で採点されます。

 

  • 時間
    • 午前:4科目50問
    • 午後:3科目50問
    • 午前、午後それぞれ2時間30分 計5時間の長丁場の試験となります。
    • 午前、午後共に試験開始から1時間経過すると途中退室ができます。

 

  • 受験者数:年間1000人程度、合格率20%程度
    • 近年は、国家試験、講習共に難化してきているようで、国家試験での取得は難しく、講習での取得も誰でも合格とはいかなくなってきているようです。

 

  • 受験申請(令和3年度)
    • 今どきの試験としては珍しく、書面での申請のみとなっています。また、書類も申請書、受験票、写真票、受験票送付用封筒、結果通知書用宛名シール、振込用紙と多数あり、いずれも受験者が所要の事項を自身で記載して提出、写真票には写真を1枚貼り付ける必要があります。
    • また、申請書類一式は郵送にて請求(有料、200円/1部+送料)する必要があります。変形サイズかつ厚紙の用紙のため、申請書類のダウンロードもありません。
    • 受験料の他、上記申請書類の費用、受験料の振込手数料、申請書類の郵送費用、受験票の郵送費用(84円切手を貼付)と、細かな費用が多数かかります。
    • 受験料振込は、所定の振込用紙を使用せずとも可能で、ATM振込の場合は利用明細のコピー、ネットバンキングの場合は払込完了の画面印刷を添付すれば良いです。
    • 申請後、試験の約1か月前に受験票と試験実施通知(要綱)、会場地図が送付されます。

 

敵を知る

 

 

  • 皆さんが一番知りたい勉強方法ですが、結論から言いますと、
    「過去問回しによる出題傾向を掴む(分析」)+「過去問出題部分はテキストやインターネット等でよく学習する(研究)」に尽きます。
    オーム社最新問題集(6年分)1冊を単純に回すだけでは、全く勉強不足です。
    勉強時間は、初学者では講習の13日間、計80時間を大幅に超える学習時間が確実に必要です。(初学者の私で4か月間、約150時間です)
    講習は長いから、一発でちゃちゃっと取りたいというのは初学者では険しい道となります。正直、費用を会社が出してくれる、休めるという環境なら、講習の方がはるかにお手軽です。

    詳しくは、下記読み進めていただければ理由等は分かると思います。

 

  • まず、なぜ浄化槽管理士の国家試験による取得を思い立ったか
    • 新居に引越後、浄化槽の保守点検が必要なことを知った。(いままでの住居では、古い単独処理浄化槽(みなし浄化槽)で、清掃(1〜2年に1回)以外はなにもやっていなかった。)
    • 保守点検業者をネットでいろいろ調べたが、なんか怪しい業者も多いみたいで、なら変な業者に1〜1.5万円/年払うぐらいなら、自分でやってしまえと思ったこと。
    • メーカーのホームページに維持管理要領書や点検方法の動画などもあって、かなり丁寧に説明されているので、あとは機材があれば一通りはやれそうな感じだった。
    • でも、用語や仕組みが今一分からず、書いてある通りにやってるだけでやる意味とかほぼ不明なので何かよく分からないヤツだなという状態でやっているので、正常なうちは良いが、異常などが分かるかがかなり不安(修理などは最悪業者を呼べばいい)
    • 自宅の浄化槽の保守点検なのでぶっちゃけ浄化槽管理士は不要なのですが、そこに山があるならチャレンジはしてみたい。
    • もし不合格になったとしても、浄化槽についての基本的な概要知識が試験勉強により得られると思うので、今後の自主点検にも役立つと思う。
    • 別に13万円が払えない訳でもないし、総合的に勉強できて合格率80%なら講習受講でも良かったのですが、普通の会社員が業務に関連しない資格の講習で連続13日間休むのはさすがに無理、ここ毎週日曜の13週とかにしてくれたら参加しやすいとけど、多分そうすると業務で取得する人が約3か月間休みなしブラックになるから実現しないと思う。

 

  • とりあえず初の分野なので、敵を知るために令和2年度の問題と過去15年分(平成16年〜令和2年、平成21年を除く)の問題集を入手し、見比べて、過去問率を確認しました。過去問そのまま又はそのほぼ類似を過去問とをカウントしました。
    • 午前 40%
    • 午後 30%
    • 過去問率は、かなり低いですので、まったくボーダーの約7割に届きません。よって、過去問丸暗記による勉強は適していません。
    • 計算問題は、午前午後通して10問程度です。

 

  • 次は、テキスト、問題集関連の情報収集ですが、
    • 浄化槽管理士試験 完全解答 (6年分過去問題集) オーム社
      • 簡単な解説はついてはいますが、初学者が理解するにはかなり説明不足です。
      • 出題範囲を絞るためには6年分ではかなり不足感もあります。せめて10年は遡り、できるだけ多くの問題に触れるのがいいです。
    • 浄化槽の維持管理(講習で使用されるテキスト)
      • 百科事典のような分厚さで、何でも載ってる標準教科書です。試験問題もここから作成されますので、試験に出題される文章、図表、写真が試験問題そのままなので、穴あきや鑑別問題への効果は抜群です。
      • しかし、ページ数が多すぎ、すべてを把握して暗記するのはまず現実的ではありません。また、試験問題は複数の方式などを比較させる問題などもあり、それぞれの方式など優劣も横断的に理解しておく必要があります。
      • 前述のとおり、要点テキストではないため、試験対策として学習するテキストとしては向かないです。このテキストを読破して暗記、理解できる人は、もっとお金になる難易度の高い試験を目指せると思います。
      • 一通り読み流して概要を掴んだら、過去問で出題された部分について詳細を理解するために使用します。
    • 浄化槽管理士用とされているのは2冊しかありません、年間1000人程度しか受験しないため、あまり需要がないのでしょう。

 

  • 過去問を10年分さらっと通してみて、感触をつかみます。
    • 午前は、行政<工事<概論<構造・機能の順の難易度です。
    • 午後は、清掃<水質<点検・調整・修理です。

 

  • 試験対策
    • 過去問の丸暗記は向かない(過去問率が低い)が、広大な出題範囲を絞ることと問題慣れするために過去問回しはやる。
    • 過去問率は低いが、過去問の変形や混ぜ合わせは散見されるので、とにかく問題数とテキストを駆使して正解文を少しでも多く覚える。
    • 過去問で出題された部分については、テキストやネット等で調べ、その原理や構造などをなるべく図や写真も見て視覚的にも覚えていく(初学者に散水ろ床とか回転板方式とか小難しい名称や方式だけでは全く頭に入りません)
    • 苦手分野は、過去問分析に沿った自己テキスト(ノート)を製作する。(記憶の整理をかねて)
    • 計算問題は、過去問数字そのまま使いまわしもあるのでとりあえず解答は暗記
    • 化学式が絡むものなど難解なものは、手を付けない(多分、化学式系はよく出ても2〜3問程度です)
    • 行政は絶対に完答する。ここは唯一難易度が低い部分で、得点源です。ただし、近頃は環境保全などの観点から浄化槽の関係法規が頻繁に改正されています。最新の改正は出題頻度が高いですので、改正もよく確認し、過去問の古い問題は切り捨てること。

 

  • この試験のポイント
    • 私を含む一般人には全く馴染みのない分野
    • 試験対策用のまともなテキストや参考書がない
    • 試験に級や区分がないため、いきなり上位区分で出題範囲が広い。
      • 浄水場や下水処理場にあるような浄化設備の知識まで問われるし、実際、浄化槽管理士の保守点検する浄化槽の大きさに制限はない。大規模な5001人槽とかでも保守点検可能。全く道路にでたこともない人がいきなり2種大型免許を取りに行く感じ。
      • 1〜3級とかつくって、3級は50人槽まで、2級は500人槽までとかの限定があってもいいと思うレベルの出題範囲の広さ
    • 問題数が多く、過去問率も低く、意外とガチな出題
    • 100問もあるのに5択で5時間なのでかなりしんどい(例えば、ITパスポートは100問、4択、2時間)

 

  • 学習を開始した時点での感じとしては、初見の分野でそれなりの難易度と問題数であるため、範囲が広く非常に苦労しそうな試験と感じました。

 

 

 試験日までの勉強方法

 

  • 6月下旬から試験勉強を開始しました。
  • 問題集を一通りやりましたが、もうチンプンカンプン。ほとんどの問題を誤答し、解説を読んでも意味が分かりません。これが素人です。今までは素養があった分野の試験を向学のため受けてきたのもあって、ほとんど素養なしの意味不明で始まった試験は15年前の小型船舶免許以来です(といっても小型船舶は素人でもほどほどに勉強すれば概ね合格できる程度です)。というのも、解説はその問題のその部分のみの解説なので、その他との関連など全く分からない素人に理解することは困難で、しかも、素人なので用語すら難解です。

  • 結局、2万円のテキストを買いました… で、一通り流し読みしつつ、一通り問題をやった経験を生かしてキーとなりそうな部分には付箋をつけていきました。

  • その後は、テキストは辞書みたいに分厚すぎてとても暗記できるようなシロモノではないので、困った時の辞書代わりとし、基本的には過去問回しをしつつ、用語やキーとなる部分を身につけていきました。テキストが役に立ったのは、図記号や用語、穴あき問題は試験で出題される文はすべて載っているし、試験で出る表なども完全な形で確認することができた点、全くの初学者がザクっとつかむのに体系的に網羅され、試験機関が作成しているテキストなのでそのあたりは好都合でした。過去問回しだと、図記号や表などの抽出部分が変化するだけでお手上げでしたから。

  • 最終的には、盆前ぐらいまでテキストと問題集を並行し、盆明けからは過去問一本で集中しました。しかし、最新問題集の過去6年分では全く不安でしたので、過去版をフリマなどで買い、最終的には平成16年〜令和2年までの17年分、1700問の過去問回しを試験日前日までひたすら続けました。

  • ただの過去問回しとはいえ、1700問もあると記憶が飛ぶ部分もかなりありますが、各年度6〜7周はしました。計算問題は過去問流用の多かったもののみに絞り、他は解答だけ暗記…ですが、これも似たり寄ったりの数字でなかなかスムーズには覚えられませんので、計算問題は取れたらラッキー程度で考えました。

  • 6〜7周もすると、午前午後ともに安定して45点程度は取れるようになります。そして、毎度間違う問題(私は間違った問題に丸をつけていき、それがたまると串刺しダンゴのように見えるため、「ダンゴ問題」と言っています)に出くわします。文章題は落としたくないので、文章題のダンゴ問題は何度もやります。それでもやはりまた間違えます。一度誤った記憶はなかなか直りません。また、他の問題と混ざってどちらも毎度誤答というものも1700問もあれば出現しますので、めげずに頑張りました。

 

 

 

 試験日

 

  • 受験を思い立った6月から「遥か遠くに見えていた試験日」がやってきました。

  • 朝は、午前試験のダンゴ問題の再チェックを1時間程度やって、もう脳が疲れてしまうといけないので割り切って出発しました。午後試験もあるので、昼食待機場所として車が欲しかったので、駐車場取りのために早めに出発したので、集合時刻の1時間半前には現地近辺の駐車場に着きましたが、車中で少し復習したのち、今更、もがいてもしょうがないので、ネットサーフィンしていました(笑)

  • 名古屋会場は約260名の受験で、5部屋ほどに分かれていたと思います。私は2階の部屋でしたが、コロナ禍でありながら、長机に2人着席で、前後の間隔もなく、という密状態でした。1年前の工事担任者試験のスカスカ試験室とは大違いです。ま、色々コロナの特性も分かってきて、マスクして試験はしゃべらないから大丈夫というところなのでしょう。

  • ちらほら女性も見えましたが、ほぼ男です。年齢層は工担とは違い、30〜50代がメインのようでした。

  • 午前試験 / 9:30集合、10:00開始です。マークシートは珍しくA4横仕様でした。問題用紙もB5と小さめでした。覚悟はしていましたが、どう考えても初見の問題がかなり多いです。1700問もやりこんだのにかすりもしたことがない部分がかなり出て、焦りを感じましたが、もうどうしようもありませんので、持てる力を尽くすのみです。計算も全捨て(3番マーク)の予定でしたが、あまりの苦戦になんとか得点できないかと問題をよく読むと初見でもなんとかなりそうな問題があったので、やってみました(合ってるかは知りませんが…) 1時間経過で途中退室ができますが、さすがにいませんでした、1時間半ほど経過すると、3分の1程度が退出し、私も退出しました。 かなり不安の残る苦戦でした。

  • 昼休憩 / 周りの人が「難しすぎ」「午後受ける意味あるかな」「もう帰りたいな」という系の話し声ばかりで、皆苦戦したことが覗われました。私は、午前試験を経験して、これ以上過去問を追い込んでもしょうがないと、いい意味であきらめがついて、リラックス昼寝していました…

  • 午後試験 / 13:45集合、14:00試験開始です。まあ、午前よりは易しくて、過去問やその流用もほどほどにあり解けましたが、新問もある程度ありましたから、自信は皆無です。しかし、全くダメだったという訳でもないし、良く解けたという訳でもない、ボーダーかちょい足りない、1点に泣き笑いする感じではないかという感触でした。午後も1時間で退出可能ですが、「あきらめ組」っぽい方が1時間でまとまって退出したのちは、午前同様ちらほらでした。私は午前とほぼ同様1時間20分ほどで退出しました。かなり後味の悪い試験でした。

  • 試験終了後は近所の回転寿司屋で精進落とし(笑)の早めの夕食を取って、帰路に着きました。帰宅後は鬼の形相で自己予想採点です。

  • 合格発表及び解答公表は、12月17日(金)とほぼ2か月かかるそうです。官報、試験センターのホームページと各個人に通知書が郵送されます。更に合格者には免状交付申請の書類が同封されるとのことなので、届いた時の封筒の重さとかで開けなくても分かっちゃいそうですね。

  • また、仮に合格しても例年どおりですと、スムーズに申請書を提出しても翌年1月下旬交付、2月中旬ごろ郵便にて配達となるようですので、受験から免状が手元に届くまでも更に4か月かかります。申請書はセンター経由で環境省に提出し、環境省からセンター経由で各個人宛に免状送付するという事務のようですので、かなり時間がかかります。最近の国家試験で経由申請というのはあまりみなくなりましたよね。(講習系では経由申請もちらほらみかけます)

 

 

 試験を終えて

 

  • さすが13日間の講習をすっ飛ばせる一発試験なだけあって、落とそうとする気力が満ちている試験問題でした。この試験は合格率が概ね20%程度なので、昨年の工担の10%台に比べれば簡単そうに見えましたが、正直、工担とは毛色が違い浄化槽管理士の方が数段難しいです。ま、「合格率が高い=簡単」という単純なものではありませんが。そう簡単には通さんぞ! 講習ウェルカム(講習も同じ団体)!って感じです。正直、1日1時間程度を4か月間+週末は更に勉強しましたから、少なくとも150時間の総勉強時間がかかっています。13日間の講習約80時間以上の時間は確実に必要です。

  • 帰宅後、分析すると、過去問(そのままか酷似)は午前午後合計で10問程度で過去例のないぐらい過去問率(10%)が低く、約30%は出るはずだった過去問はどこに行ったのだといった感じです。ただ、過去問の変形や混ぜ合わせも含めると、午前は17問(30%)、午後は30問(60%)でしたので、午後の方がほどほどに解けたという印象はその通りでした。
  • 計算は8問で例年通りでしたし、例年と同じく流用も見られました。

  • あまりに新問や変形混ぜ合わせが多く、自己予想採点も一筋縄ではいかず、翌日も含めて6時間ほど費やしましたが、自己予想採点ではおおよそ70点は取れていると思います。最終的にテキストでも見つけきれなかった奇問が数問と計算数問が未決で残りました。なお、この試験は、解答発表と合格発表が同日なので、合格発表まで自己予想採点しかできず、合格見込なのかすら分からずかなり悶々とします。

  • しかし、過去問やその類似ではなくとも、過去問を理解していれば応用で解ける問題は数多くあったので、あの膨大なテキストを丸暗記するよりは、やはり過去問回しで範囲を絞り、過去問に出た部分はよく理解する(注:解答だけ丸暗記は通用しない)という勉強は、凡人の試験対策としては、まあ無難であったようです。過去問は、6年分に限らずとにかく沢山回して沢山のパターンと文に慣れることが大切です。
    • 午前は、行政<工事<構造・機能<概論
      概論は、クセのある問題(化学知識等)が多くまた過去問流用も少ないため、難しいです。
    • 午後は、水質<点検・調整・修理<清掃
      清掃は、管理士としてはなじみが薄い上に、意外と細かい決まりなどが多く、かつ問題数も少ないため、難しいです。

  • 初学者でも、過去問回し+過去問出題部分をしっかり理解する勉強で、7割後半は解答できる試験という塩梅です。ただし、過去問範囲外どころかテキストにも載ってなかったり、かなり発展的な問題(奇問といいます)もありますので、8割以上取るのはかなり難しい試験なので、合格発表まではかなりモヤモヤすることは間違いありません。

 

 

 合格発表

 

  • 12月17日午前8時30分、官報(インターネット版)にて合格者が発表(公告)され、私は、「合格」が確認できました。これであとは免状の申請と交付を待つのみとなりました。センターのWebページには10時ごろ公表されました。

 

  • センターの発表によりますと、受験者1034人中、合格者215人で、合格率20.8%とほぼ例年通りの合格率に落ち着きました。例年ならボーダー下げの得点調整が入るあたりの合格率ですが、昨年のボーナス合格率(31.1%)が影響しているのか、調整は行われず標準合格点である65点以上が合格点となりました。

 

  • 自己採点は、午前39点+午後40点=得点79点でした。午前は前述のとおりかなり出来なかった感がありましたが、最終的には午前も午後もそう変わらない得点でした。

 

  • 合格証書は、合格発表の翌日に簡易書留で到着しました。合格証書、免状交付申請書、免状交付手続の説明、試験問題等の公表と合格基準についての説明がセットで届きました。
    浄化槽管理士 試験 合格証書
    合格証書はA5サイズで、免状交付申請には合格証書の写し(コピー)と、免状記載事項である氏名、生年月日、本籍地を証する書類として、住民票(本籍地要)や戸籍個人事項証明が必要、他、2300円の手数料を収入印紙で納める必要があります。合格証書そのものは手元にそのまま保管のようです。

 

  • 免状交付
    • 12月19日に申請書を発送、1月27日付交付の免状が2月27日(発送は2月25日)に簡易書留で到着いたしました。申請からおおよそ2か月半かかりました。

 

 

 費用

 

  • 費用の明細
    • 出願〜受験まで
      • 受験料 20,200円
      • 諸費用(出願関係) 1,027円 
        (受験願書200円、為替証書発行100円、願書送付郵便切手140円、願書取寄書類郵送63円、受験票返送用切手84円、受験願書送付簡易書留440円)
      • テキスト(公式) 24,390円
      • 問題集(平成16年〜令和2年、計4冊) 6,990円
        (オーム社浄化槽管理士試験問題集、2版1,500円、3版1,500円、5版1,350円、7版(最新)2,640円)
      • 小計 52,607円
    • 合格後
      • 免状申請手数料 2,300円
      • 免状交付申請書郵送料 198円
      • 小計 2,498円

 

    • 計 55,105円

 

  • 公式テキストを購入するかどうかでかなり金額が変わってきますが、本気で合格したいならテキストは必須です。そして、前述のようにテキストを上手に活用し、変形問題にも対応できる力を身につけてください。

 

 

 あとがき

 

  • 年間受験者が少ないこともあり、試験対策用の秀でたテキストがなく、また、試験そのものは落とすタイプの試験のため、難易度もそれなりにあるため、苦戦した試験でしたが、勝因は、多くの過去問に触れることにより、繰り返し出題される分野を特定し、その分野についてはテキストでよく学習する(ここ重要!)ことを愚直に続けた結果と思っています。

 

  • 過去問そのままの出題率はかなり低いですが、変形や混ぜ合わせはそれなりに多く見受けられました。問われる分野の根本部分はそれほど変わらないということです。過去問をやりこむことにより問題に慣れ、頻出で問われる部分が見えて来ますので、そこはテキストで根本からよく学習しておくと、変形や混ぜ合わせにも十分対応できる力が身に着くと思います。

 

  • このページをご覧になられた方が、合格を勝ち取る手助けとなれば幸いです。

 

 

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