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 令和2年度 第1回(令和2年3月3日実施) 認定電気工事従事者認定講習 受講レポート

受験地:名古屋市(名古屋国際会議場)  天候:晴

【概要】:

  • この講習は、電気工事士法による自家用電気工作物の工事作業に従事するための「認定電気工事従事者認定」を受けるために、受講するものです。

 

  • 範囲
    • 自家用電気工作物は、一般用電気工作物(一般住宅や小規模店舗、小規模作業場)に該当しない、ほぼすべての施設の電気工作物(電気事業用は除く)となります。ビル、工場、店舗、公共施設など、主に「キュービクル」という高圧受電設備を用いて一般的に6600Vの高圧受電している建物となります。

    • 第二種電気工事士は、一般用電気工作物のみの工事作業にしか従事できませんので、自家用電気工作物の工事を行うには、600V以下の低圧であっても、第一種電気工事士が作業する必要があります。(500kw以上の設備や特種電気工事と呼ばれるものは別の定めがあります)

    • しかし、自家用電気工作物で高圧受電であっても、最終的には低圧(100-440V程度が多い)に変圧して使用されることがほとんどで、低圧分電やコンセント、電灯の設置や最終的な需要設備への接続など、自家用電気工作物でも低圧工事が、かなりの割合を占めます。
    • 自家用電気工作物であっても低圧部分の施工の基本については一般用電気工作物と大差はありません。そこで、実務経験(3年)を積むか、所定の講習を受講して高圧受電設備に関する基本知識を別途習得すれば、第二種電気工事士にも自家用電気工作物について600V以下の工事(簡易電気工事と呼びます)については従事することを認めましょう、というのが「認定電気工事従事者」制度です。

    • この講習を受講して、認定を受ければ「自家用電気工作物の600V以下の電気工事(簡易電気工事)」に従事することができるようになります。ただし、電線路(後述しています)については600V以下であっても施工できませんので注意が必要です。

  • 申込と受講資格
    • 講習は年2回(3,7月ごろ)に行われ、その4か月ほど前から申込受付が始まります。

    • 申込期間が3週間程度と短く、期間を経過すると定員に関わらず受付終了です。うっかり申し込みを忘れると更に半年伸びますので、受講を検討されている方は、実施機関(電気工事技術講習センター)のホームページをこまめにチェックしてください。

    • 受講資格は、第二種電気工事士又は電気主任技術者免状の交付を”講習日の前日までに”受けていることが条件となります。免状が未交付でも申し込みはできますが、当日提示できないと欠格となり講習を修了しても認定を受けることができません。

    • 申込期間が、だいたい夏・冬それぞれの第二種電気工事士試験の実技(最終)合格発表後、免状交付申請してそれらの交付が落ち着いたころから始まりますので、そう大幅に遅延させずに普通に交付申請を行っていれば、ほとんどの人は申込期間には免状が手元にあるはずです。

    • 講習には12500円の講習手数料がかかり、別途認定証の申請には国に対して4700円も必要です。

  

 

時間

 

 

  • この講習は、無試験(効果測定などの類も全くありません)です。所定時間の講義を最後まで受講すると、最後に「修了証」が交付されます。
  • 4科目 合計6時間(10:00〜17:00)の講習です。

 

 

 受講日

 

  • 受講日は「新型コロナウイルス」が市中蔓延し始め、ちょうど学校の臨時休校も始まりました。
  • 講習より「コロナ」の方が気になり、各所でイベントなどの中止が出始めておりましたが、この講習は「経済産業省と協議した結果、換気により安全が確保できると判断して実施」となりました。会場は窓は開きませんでしたが、「空調設備側で外気取入れを一定時間で行うため、室温が一時的に低下するのでご理解ください」とのことでした。
  • 6時間の講習ですので、開始時間が遅め(9:50までに受付を済ませて着席)なのが幸いで、朝の満員電車には乗らずに済みました。
  • 入口で本人確認書類(運転免許証や第二種電気工事士免状(交付から10年以内)等)と受講票のチェックが行われます。
  • 会場は150人程度収容で、出席率はほぼ100%でした。長机3人掛けの中央席で席としては最悪な場所でしたが、最後部だったのは幸いです。後ろからのせきやくしゃみがありませんから。当日、会場で健康に不安がある場合は受講を欠席しても特例で1年以内の講習に無手数料で振替という扱いでしたが、直近の振替可能な次の講習が7月なので電気工事業は繁忙期ですから、自然と来年の3月になって、自家用電気工作物へ従事できるのが1年先に延期となってしまうので、仕事で必要な方は何が何でも受講という意気込みでしょう。
  • 私は電気工事業ではないものの、職場で自家用電気工作物の業務に従事したいので、マスク+メガネ+アルコールスプレーで武装して受講に臨みました。風邪やインフルエンザにも中学生以来かかっていない健康体なので大丈夫だろう…
  • 講義は1〜2科目が関東から出張ってこられた電気工事施工会社の社長さん、3〜4科目は地元の中部電気保安協会の部長さんが務められました。
  • 講義は、教本に沿って進められ、時折講師の体験談や上級資格(1電工や電験)などでも問われやすい重要事項などを交えて進んでいきましたが、こちら側からは発言することもないので、本当に終日聴き続ける講習でした。スライドなどもなかったため、教本を見ながら、講師の話を耳で聞くというスタイルで試験もないので、ま、寝てる人もちらほら。
  • 講義が終了すると、アンケートの回収、修了証の交付、認定手続きの方法(教本の最終頁あたりに申請書や注意事項が綴り込んである)の説明を受けたら、そのまま解散でした。

 

 

 受講を終えてみて

 

  • 一番大事だと思ったことは、「自家用電気工作物は、必ずどこかに6600Vがあるので(一般用電気工作物より)危険性が高い。施工はよく確認して事故災害を起こされることなく安全に作業に従事されることを願っています。」という講師の終わりの一言に尽きます。
  • そうです、どこかに必ず高圧があり、電線も複雑です。何十年も当たり前にように使われて老朽化した設備もあるし、その会社の従業員(無資格者)がその場しのぎで補修した不良施工もあると思いますし、三相モータの回転方向や110/220/440Vの混在する環境など、低圧であっても複雑さを増します。
  • モータは逆転させると設備そのものを破壊してしまう構造となっていることもあるため、よく注意しなければなりません。
  • また、第二種では問われなかった高圧関係の受電設備について一通り学習できて、あの電柱のてっぺんにある入り切りの装置(PAS)やキュービクルの中身を知ることができたことが、今回の一番の収穫だと思います。
  • 特に「DS(断路器、ディスコン)は、電流引き外しができないので、必ず下流の遮断器などを遮断して無電流(無負荷)で操作しなければならない」という点は、初めて知りました。無理に操作するとメカニカル的には作動するけど、空気では絶縁しきれず、離れた端子間でアーク放電が発生して作業者がやけどや感電、アークが別の相に入り込んで相間短絡し、波及事故を起こす危険もあるそうです。
  • また、電圧や電流が大きい高圧ならではで、遮断器などは絶縁性のあるガスを使用して遮断なども初めて知ったものでした。
  • 後は「波及事故」これだけは絶対起こしたくないですね。高圧設備は何層にも遮断器などの安全装置がありますが、一帯を停電にしてしまい、場合によっては民事上の責任を負うことにもなる…
  • 一番気になった施工資格範囲外となる「電線路」の定義ですが、「開閉所及びこれらに類する場所並びに電気使用場所相互間の電線」と非常に分かりにくい定義で、実運用としては、要約すると次のようになっているようです。
    1. 構内(土地を道路や河川など他人の土地を挟まず一筆で囲える範囲)を超えた別の構内とを結ぶ電線
    2. 図面や主技に「電線路」と指示された部分
    3. 構内であっても、電線が一旦屋外に出て、別の建屋に渡る電線
  • 私見ですが、開閉所(キュービクル)を出て建屋の最初の低圧分電盤の開閉器一次側(電気使用場所)までと、二次側で他の建屋へ送られる電線を、電線路と解釈していますが、自家用電気工作物は電気主任技術者(主技)が必ず選任されているので、キュービクルから新たに回路を増やしたり、建屋を増やすようなそれなりの規模の工事であれば選任されている主技が立ち合います(主技が全責任を負います)ので、主技の指示に従って施工することになりますから、あまり深く考えなくても良いかもしれません。

 

 

 認定証

  • 認定手続きについては、事前に経済産業省のホームページを見ておいたので、必要書類のうち、「住民票の写し」、「収入印紙4,700円分」、「電気工事士免状のコピー」、「認定証返送用封筒」、「写真(2枚)」については、事前に準備しておきました。
  • あとは当日頂いた「修了証」と「申請書類2通」を記載して、翌3月4日にポスト投函し、認定証は3月10日付交付、郵便到着は3月13日でしたので、かなり快速で認定を受けることができました。講習が全国開始2日目と比較的早い段階かつ、必要書類の事前準備もしておいたので、申請が集中する前に受付してもらえたと思います。
  • 認定証は、愛知県の二電工免状と同じサイズのラミネート加工でした。裏面は住所と記事、注意事項欄がシールで貼り付けされていました。ついでに二電工も証明する一文でも追加してくれれば、1枚の携帯で済むのになぁ。





 

 

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