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2019年09月16日更新

令和元年度 上期 第二種 電気工事士試験 受験レポート

 

区分:第二種

受験地:名古屋
筆記:6月 2日(名古屋工業大学)  天候:曇
実技:7月21日(名古屋国際会議場) 天候:曇

概要

 この試験は、電気工事士法により自家用または一般用電気工作物の工事に従事するために必要な国家資格です。電気工事士は、有資格者が行うべきと定められている作業を、自ら実施する必要があります。危険物取扱者や工事担任者とは違い、有資格者が監督しても、有資格者が行うべきと定められている作業を無資格者に行わせることはできません。

 種類は、大まかに第一種(自家用、一般用電気工作物)、第二種(600V以下の一般用電気工作物)に大別され、一般的な住宅や小規模店舗等の電気工事は、概ね第二種の範囲内で十分施工することができます。

 大規模な店舗、工場、住宅用であっても一部のマンションでは、高圧受電(キュービクルがある建物)の場合、低圧部分であっても全体として自家用電気工作物となるため、原則として第一種が必要となり、第二種では施工ができません。この場合、認定電気工事従事者認定を受けることにより、自家用電気工作物の低圧部分に限って施工を行うことができるようになりますが、第二種はこの認定を受けるための基礎資格でもあります。

時間、問題の構成

  •  筆記

    • 四択マークシートで、50問出題されます。1問2点で60点以上で合格です。
      前半は30問は計算と知識問題、後半20問は1枚の配線図(住宅、住宅兼店舗や小規模工場等)から、図記号の意味、正しい施工基準や方法、適切な工具の選択、電線の接続方法(複線図やスリーブの大きさ)について出題されます。配線図問題は、問題が相互に絡み合っていることもあるので、1問解けないだけで、他の絡み合っている問題2〜3問落とすことになることもあります。

    • 12:45〜 受験の説明
      13:00〜 試験開始
      13:30〜 入室禁止(遅刻者等が入室して受験できる限界時間)
      14:00〜 途中退室可能時間
      〜15:00 試験終了

  •  実技

    • 公表されている全13問の候補問題のうち1つが出題されます。13問のいずれが出題されるかは、会場により異なります。(全国同一問題ではありません)候補問題の配線図は公表されますが、「施工条件」と「解答」は公表されませんので、市販の対策本などで想定される解答を確認して、練習することになります。また、「施工条件」と呼ばれる、電線寸法や電線種類、結線方法については、当日の問題に従って施工する必要があります。

    • 10:50〜 受験の説明
      10:55〜 入室禁止
      11:18〜 材料確認
      11:30〜 試験開始
      〜12:10 試験終了

 

 

筆記

 

  • 試験対策

    • 私自身の勉強前の電気知識は、過去に電気屋で電気工事の見習いをやっていた+アマチュア無線2級+工事担任者DD3といった具合ですので、それなりにはありますが、数学は苦手という相反した感じです。見習いの頃の経験で、単相200Vの取り方も知っていますし、電源側と接地側、アースの区別もつきます。普通のテスターや接地抵抗計も操作できますし、コンセントや単極スイッチのそっくりそのまま交換なら…という感じです。

    • 初受験で勝手が分かりませんが、王道とされている過去問回しを徹底的にやりました。とりあえず各回初めの1〜10問目が計算、回路、公式問題でパッと見かなり凶悪っぽい試験に見えますが、11問目以降は、過去問を回していると、段々問題に慣れてきますので、それなりに得点できるようになります。

    • ただし、過去問回しを甘くみてはいけません。某問題集では、8年分(8年×2回=16回分×50問=800問)掲載されています。試験日の3か月ぐらい前から余裕をもって取り組まないと、一通り回すだけでもかなり苦労します。問題を解いてみて、苦手な問題を見つけて、それを覚える必要がありますから、意外と大変です。直前の試験問題を問題集から拾い出してみましたが、8年分から拾われて出題されています。だから8年分あるのですね。

    • 1.知識問題(11〜30問) → 2.(配線図面問題)31〜50問 → 3.計算、公式問題(1〜10問)の順で学習していきました。まずは、知識問題で一通りの知識を覚えてから、配線図面問題に取り掛かると、知識問題がかなり役に立つ部分があります。ここまで攻略すると、満点で80点分になりますのでかなりウェイトが大きいです。あとは、計算、公式問題から簡単な係数で計算できる問題や公式を丸暗記しておいて、プラスαを拾えるようにしておくと、新問が得点できなかったときの保険になりますので、計算系問題も一度は手をつけてみて、やれそうな問題を拾えるようにしました。一見。ややこしい公式を問われる問題とかは、意外と過去問そのままが多いし、回路問題も回路や数字が違っても、解答は意外と同じ答えだったりしますので、暗記で対応可能です。暗記で対応できる問題とそうでない問題を過去問回しでよく吟味することが大切です。

    • 複線図は、とにかく書いて慣れる必要があります。。複線図練習用に感圧ボード(ライティングボード)を買いました。練習は単色でやって、線をきれいに書いて自分で線の先までしっかり追い、分かりやすい複線図を目指しました。試験日1週間ぐらい前からは、4色ボールペンを使用しました。色があるだけで非常に分かりやすくなります。
      4色は、器具と電源側電線(黒)、接地側電線(青)、4路スイッチなどの渡り(赤)、その他の書き込み(緑)で使用しました。

    • 60点以上で合格です。一応過去問で各回90点以上得点できるまで何度も取り組みました。当日は模擬の得点の7掛けぐらいで考えておくと、模擬90点でも当日63点でギリギリなんですね。

    • 過去問に取り組んでいくと、何度も間違える問題に出くわします。1〜2回目はそんな問題ばかりですから付箋なんて貼るとめちゃくちゃなことになりますが、3〜4回目でも間違えた問題は、かならず分かるように付箋などを貼り付けておき、毎日復習しました。私の場合800問中30問ほど付箋問題がありました。

    • 知識問題は、ネットで問題特訓のサイトがあるので、隙間時間を利用して何度もやりました。図面問題や計算問題はなかなか隙間時間では難しいと思いますので、これらは自宅や昼休みなどを利用して学習しました。3月からぼちぼち初めましたので、約3か月間学習しました。

  • 試験開始まで

    • 試験は昼からなので、簡単な計算問題と付箋問題の復習をやって、直前同一期の問題を1回だけやりました。意外と前年同期(上期なら昨年上期)からの出題が案外多い傾向です。

    • 試験会場が思ったより広く、正門から入って受験番号を確認して試験室のある棟まで移動するのに10分はかかりました。人の流れについていけばいいわけではなく、元々棟がたくさんある上に、まず受験番号が数グループに分けられ、それぞれ試験室のある棟が違い、更に棟の中でも複数の試験室があって…という感じです。

    • 私は、試験室での試験直前は、リングスリーブの大きさの表を眺めていました。意外とややこしいけど、必ず出題される問題です。

  • 試験開始後

    • まず、問題用紙の大きさがかなり大きいことに驚きました。問題集ではめめっちい字でしたから。

    • 真面目な勉強が功を奏し、問題はそう難しくは感じませんでした。過去問かその類似がかなり多い印象でした。公式系や回路計算は過去問そのままでした。新問は数問ありましたが、過去問の合体変形問題でしたので、解答は容易でした。

    • 配線図面問題が、住宅図面だったのでイメージはしやすかったです。工場や店舗だとなじみが無いし、三相200Vとかもあったりして面倒ですから。複線図の書き起こしが必要な問題は3問ありました。近頃の問題では、3問が関連なく別々の場所を指定される傾向があります。複線図問題は、間違い防止のために4色ボールペンなどを使用すると分かりやすいです。

    • 見直しの時に1問、ただの選択間違いのミスがあったので、見直しは必須です。

    • 約20分で一通り解答できましたが、60分経過しないと退出できないので、2回見直し(3回解答)しました。

  • 試験終了後

    • 試験開始から60分経過すると退出できます。荷物をまとめ、解答用紙を出口で手渡して退出します。出口から遠い列から、1列ずつの整理退場でした。

    • 退出3列目だったので、どのくらいの方が退出したのかは分かりませんでしたが、3列までは半分ほどが60分で退出しました。

    • 大手対策サイトから当日夕方には解答速報が出ます。試験センターからも翌日には公式解答が発表されますが、早くすっきりしたいのは、皆同じですね。私も解答速報でチェックし、十分合格点を確認。翌日の公式解答で、過去問回しでもあまりなかった100点満点であることが確定しました。

    • でも、1か月後の発表までは「恐怖のマークミス」と心の中で戦いつつ、次の週末からは実技の練習を早速開始しました。

  • 合格発表

    • WEB発表で合格を確認、続いて翌日には合格通知+技能試験の受験票が届き、技能の練習に本腰を入れることになりました。

    • 自分の名前が入っている合格通知は、一番安心感がありますね。WEB発表は受験番号のみなので、番号を見間違えていないかとか変な不安が残りますし。

 

技能

 

  • 試験対策

    • 技能試験は大まかに、複線図、単位作業、結線作業の3つにわけることができます。見習い時代や、ちょっとした電気工作の経験はある方でも、技能試験は別物と考えた方がよいです。特に、電線は必要寸法ピッタリしか支給されず、器具を破損しても再支給もありません。器具はよっぽど壊すことはないと思いますが、電線の切断寸法間違いは、指示寸の-49%までしか許されません。寸法を間違えた電線は、例えスリーブでつないでも図面にない接続点を作っているのでダメです。

    • 初回、まず、一通り単位作業をやってみてから、某サイトの技能試験動画を一通り見て、準備の仕方や作品の制作順序を学習しました。大まかな順序は、複線図→アウトレットボックスや電線管の準備→単位作業(器具)ごとに電線を切断→器具を組付→単位作業が終了→複線図どおりに器具を配置→仮結線→確認→結線(リングスリーブ・差し込みコネクタ)→確認 という順序でしたし、その方が間違いが少ないと思うので私もそのように練習しました。

    • 複線図は、筆記試験で出題されるものより簡単なので、しっかり筆記で学習していれば攻略は容易です。丁寧に書いても5分かからず書けるはずです。

    • 単位作業

      • 1つの器具と接続点(結線部)までのくくりを「単位作業」と呼びます。

      • 出題にアウトレットボックスがある場合、これの準備はまず真っ先に作業します。ゴムブッシング、電線管の接続、ねじ切り、ボンド線など、これを後回しにすると、結線の時にうっかり何かを忘れたまま結線し、慌てます。うっかり結線後にブッシングや電線管をつけ忘れているとまたバラす必要があります。また、アウトレットボックスが使用される問題は基本的に時間がかかる問題なので、やりなおす時間はないと思ってください。

      • ポイントは、電線の種類や切断寸を間違えないこと、単位作業ととに器具の取付や接続はやりきることです。1つの問題で単位作業は6〜9か所ほどあります。それらを後から再度よくチェックするのは大変ですしミスを誘発しやすいので、1つの単位作業ができたら、そこで問題図や複線図を見てチェック、ねじのゆるみ、枠などの取付忘れ、結線不良などの欠陥をチェックして、1つずつ確実に終わらせます。

      • 3路4路スイッチの渡りは電線色が複数解あることがあります。また、1つの単位作業で複数の埋め込みスイッチやコンセントを使用する場合は、渡らせる順序やどこから電源を入れてというのも、複数解あります。例えば、3路の渡りの1−3の白と赤はどちらか、コンセント+スイッチ+パイロットランプの3連なら電源をどこから入れて渡らせるかという部分です。よく分からない方はテキストどおりが無難ですが、既にある程度の知識を持っているなら、この複数解ある部分については必ずしもテキストに従う必要はありません。私の場合は、電源は必ずまずコンセントに入れてから渡らせるという癖があるのですが、テキストはだいたいスイッチに入れます。スイッチに入れると、電源側の黒はスイッチで白はコンセントに入れることになり、自分の中では間違いを誘発しました。

      • 私の場合は、電線種ごとに、電源側から順に進めていきました。電線種ごとにやることよって、種類間違いはまず発生しません。これを1.6をやって、2.0をやって、また1.6をやって…と混合すると、私は、間違えました。

    • 結線作業

      • 単位作業で作成した器具と電線を、指示された場所に配置し、仮結線をします。結線時のコツとしては、電源側電線から順に準備組み合わせていくこと、3路や4路は使用できる電線色が複数解あることがあるので、自分でどの色をつかうつもりで単位作業をしたのかをよく確認して、結線します。

      • だいたい、非接地(白)→電源(黒)→その他という順で結線すれば、そこそこ頭で考えながらスムーズに片づけられると思います。白をまとめる本数が多いので、白が片付くだけで結構すっきりしますよ。

      • ある程度電線の形を整えて、圧着する前には再度チェックするようにしましょう。おおむね1度ならやり直しは可能ですが、2度目以降は電線長が不足したり、シースのはぎとり不足になったり、場合によっては物理的に線同士が届かなくなることもありますし、何より時間を失います。

      • 某社で販売している「合格クリップ」はあった方がいいですよ。一度まとめてみてトレースすると、意外とミスをつぶせます。

    • 確認作業

      • 電線の形を整え、できるかぎりきれいな作品に仕上げます。というのは、試験センター側でも「現場で汚い工事をすることは許されない」という考えから、「きれいな作品にすること」も求めています。汚い作品は、よっぽど時間がなかったのか練習不足と考えられ、何かやらかしている可能性が高いと判断され、念入りに審査されるという噂もあるほどです。

      • できれば、結線作業の際にスリーブの刻印を審査員が見やすい真正面なるように打つぐらいの余裕があれば、尚良いでしょう。私はそう心がけました。

      • 特に、圧着部同士が接触していたり、器具が真正面ではない、おかしな方向を向いていたりするのは、そもそも施工不良です。

      • アウトレットボックスがある場合、本来なら電線をボックス枠内に収めて蓋を閉じるわけですが、試験においては、電線が指示通りボックスを経由して正しく結線されていれば良く、ボックスの枠内に電線のすべてを収めて蓋を閉じることができる状態にしておくことは求められていません。

    • 1度目はそれなりに時間がかかると思いますが、2度目以降は簡単な問題なら15分、難問で30分以内に完成できるようになりました。私は3回やりましたが、2→3回目は時間はほとんど変わりませんでした。全13問を練習しているうちに段々作業に慣れてくる感じです。

    • だいたい、アウトレットボックスと管の組付けと、のの字曲げ(ランプレセプタクル、角型露出コンセント)あたりが鬼門だと思いますので、のの字曲げは端材などを利用して、何度も練習しましょう。

  • 試験開始まで

    • 早く行くことも大事ですが、試験室は入室時刻の約20〜30分前にしか開放されませんので、それまではロビーなどで待機する必要があります。

    • 入室時刻(10:50)までに入室、5分後の10:55から入室禁止となります。遅刻者は無論、トイレ退出などを含め一切の入室が禁止されます。あくまで入室禁止なので、どうしてもという場合は退出はできますが、筆記試験とは違い再び入ることはできず欠席となります。

    • 会場に着いたら、トイレを済ませ、工具、筆記用具、受験票など机上に置いて良い物を準備しましょう。保護板(机を傷つけないようにするための厚紙)は、既に用意されていますが、当然何も書いてはいけません。材料箱は、入室禁止後に配布されます。布尺をテープで固定するなどの準備は可能ですし、ビス皿やクリップを入れるケースも問題なく机上に置けます。

    • 11:30の試験開始までは、受験の注意事項説明や材料確認が行われます。かなりゆっくりとしたペースで進みます。指示される前に材料箱などを開けてしまうと失格となるので、アナウンスに従う必要があります。材料確認時に、材料を見ればどの問題かわかると思うので、材料確認を終えたら頭の中でイメージして器具や工具をやりやすく置いておくのはOKです。

    • 受験者カードいうマークシートと、受験番号札が配布されますので、氏名、生年月日、受験番号など必要事項を記入しマークします。たぶん、審査員が合否を記載するために使用するものです。写真票は試験開始前までに回収されます。実技試験ですが、マークシートと受験番号札への記入があるため、複線図をかかないつもりでも、最低限、鉛筆は必須です。

    • 材料確認時にやっていいのは、材料明細にチェック確認のための書き込みをすること(複線図やメモは禁止)、電線を伸ばして全長を測ること、器具を箱から出すことはOKです。電線を切ったり、器具のネジを取り外したり、組み立てたりすることは作業なので禁止です。ポイントとしては、正直電線は伸ばすと邪魔(周りでも綺麗に伸ばしても結局また巻いてた人多数)なので、短い2.0mmの電線以外は、全長が測定出来る程度で伸ばして問題なければ、そのまま戻して巻いたままの方がいいと思います。

    • 複線図は、問題用紙にもろ書いてくださいといわんばかりの余白(A5サイズ程度)がありますが、試験開始後であれば保護板に書き込みをしても問題ないそうです。問題用紙に書いたけど途中で間違えた!ってときは、保護板に書き直すという手もアリです。ただし、保護板は持ち帰れませんので、帰宅後のチェックをしたい人は、問題用紙に書いてください。

  • 試験開始後

    • 会場には、いきなり電線の切断音が響き渡りますが、そういう方は複線図なしでもできる特殊な方なので、焦らないようにしましょう。特に私の場合、700人が一部屋に入る一番大きな部屋だったので、切断音とかはかなり響き渡りました。

    • 会場が大学などの学校系ではなかったのが幸いして、机はかなり広かったです。机がかなり狭いことがあると教科書にも書いてあったので、筆記の時の大学講堂の机の狭さを想定して練習していましたが、一人用のちゃぶ台ぐらいのスペースがあったので机については全くストレスを感じませんでした。

    • 一般的な方は複線図をまず書きます。40分という時間は、問題により差はありますが、複線図を一発で描いて作業も一発でやれば、問題なく完成できる時間です。しっかり練習していれば、やったことのある問題ですよ。鬼門の問題でない限り、もしもの時はやり直しの余裕もあります。

    • 致命的な間違いをしないよう、特に電線の切断寸法やシースのはぎとり寸法には十分気を付けてください。これらは間違えるとどうしようもなくなる可能性が高いですし、リカバリーのための寸法再計算などかなり余分な時間がかかります(練習でやらかしたことあり)。

    • アウトレットボックスは、必ず1番に組み立ててください。私は幸いアウトレットボックスはありませんでしたが。

    • それ以外のミスは、大概時間さえあれば直すことができます。特に圧着不良は、端子は何度でも追加支給してもらえますから、1度失敗したぐらいで焦らない。ただ、何度もやらかすと、圧着下の絶縁被覆が20mm以下となって、シースのはぎとり不足欠陥になりますのでご注意。

    • 私は、王道の「複線図」→「切断寸計算」→「電線切断」→「シースはぎとり、器具取付」→「クリップで仮結線」→「電線接続」→「最終チェック」という順で作業しました。

    • 当日は、候補問題6番が出題、念入りにチェックしながらでも30分足らずで完成しました。

      • 候補問題6番は、3路スイッチと引っ掛けシーリングに「出題率の低い露出コンセント」です。比較的やさしい問題で、練習では22分でできていました。(以下は練習写真、試験室内は撮影厳禁です!)
               
              

      • 露出コンセントの結線が若干雑になって、被覆が咬んでいるように見えるので、若干無理やり引っ張ってちょび銅線が見えるように手直し。確率的にはランプセレクタプルの方が高いのでこちらばかり練習していて、ちょっと焦りました。

    • コツは、とにかく戻らないように、1つ1つの作業を確実に終えていくことです。

  • 試験終了後

    • 試験終了のアナウンスがあったら、以降は作品に一切手を触れてはいけません。ただし、時間ぎりぎりまで作業して受験番号札を作品につけていない場合でも一旦作業はやめ、後ほどアナウンスに従って作品に札をつけることは可能です。

    • アナウンスに従い、机上を片付け、工具等をしまい、荷物を整理します。受験票&合格通知はそのまま持ち帰れます。

    • 机上には、作品、保護板、材料箱及び余った材料とくずが残るはずです。材料箱及び余った材料は持出禁止です。問題用紙と受験票は持ち帰ることができます。

    • 整理退場です。一人ずつ作品があることや材料の持出がないことを確認されたのち、「退出」札を渡されますので、荷物を全て持って、札を出口の係員に渡せば試験終了です。一度退出すると試験室には戻れませんので、忘れ物は気を付けてください。

    • 全員が退出したのち、試験室はそのまま閉鎖され、その場で審査が行われるらしいです。つまり、当日中に合否は既に決まっているらしいです。

 

費用

 
  電気工事士試験のネックは、やはり費用かと思います。技能試験の練習と受験のための工具にそれなりの費用がかかります。
 以下は今回の費用です。

  • 筆記試験問題集と参考書 4060円 第二種電気工事士試験筆記試験過去問題集 完全攻略筆記試験編(2019年版) 技術評論社

  • 技能試験解説 2030円 第二種電気工事士試験完全攻略技能試験編(2019年版) 技術評論社

  • 技能試験工具セット 15,909円 HOZAN DK-17 ※合格クリップ、合格ケージ、合格マルチツール付き 圧着ペンチ大、VVFストリッパー

  • 練習キット(2回分) 30,240円 HOZAN DK-52

  • 受験料 9,300円

  • 練習(3回目)追加材料 5,000円ぐらい 近所のホームセンターでVVF1.6-2cや3c、ゴムブッシングなど

 合計 66,539円 となりました。

 その他、試験会場までの交通費は別途。VVF2.0は工作に使った古い端材が多量にあったのでそれを使いました。

  • 節約するとしたら、練習キットは1回分にして、追加はホームセンターで入手する程度でしょうか。
    VVRなどの一部電線は入手困難ですが、これら入手困難な電線は1回分キットでもちょっと余分に1.5回〜2回分程度の長さがありますので、余長を上手に利用する、VVRの被覆処理などは練習後の端材で何度もよく練習すると良いと思います。

  • 技能試験の練習キットに一応技能試験の簡易的な本とDVDが付属しますが、いまいちわかりにくい部分などがあったので、後から解説本を買い足して併用しました。なお、この時に本により施工条件の予想が若干異なるので、材料には注意が必要です。

  • VVFストリッパー、合格クリップ、合格ゲージは、あった方が格段に作業効率がUPします。尺も付属の布尺の方が扱いやすくて良いですが、一部問題では尺の長さが足りませんので測定時に十分注意が必要です。全体的にはHOZANの工具セットは電気工事士試験を考えてあるセットなので、これを買えばとりあえず工具が悪くてというロスはなさそうです。

  • VVFストリッパーは、P-958のような手動のマルチストリッパーで良いです。これなら切断、シース、被覆、のの字曲げ、寸法測定の全てが一発でできますので、工具を持ち替える手間が省けますし、重量も軽いです。合格ゲージを組み合わせると、被覆のストリップ寸法とかいちいち測る必要がありませんし、シースのストリップのための尺も裏面に印字されていて、あとは布尺、+、-ドライバがあれば、ほとんどの単位作業は完了できます。
    いわゆる「ガシャン」タイプは、シースや被覆をはぐのは高速で処理できますが、他の処理(切断、のの字曲げ)をする際に持ち替えの手間が発生することを考慮すると、わざわざ高価なガシャンタイプを使ってもあまり時間には影響しませんし、工具そのものも重量があるので地味に手首に来ます。(一応、知り合いから借りて使ってみましたが…)

 

 

合格発表

  • 約1か月後(8月19日)、合格発表でした。

  • お盆休み中はなんか落ち着かない感じでした。合格通知も来ていないのに収入証紙を買って、申請書を準備しました。さすがに、証紙を申請書に貼る勇気はありませんでした... ちなみに今年は増税の影響で、10月以降の申請は手数料100円UPだそうです。

  • 無事、「合格」でした。新年に受験を決意し、3月〜7月までの5か月は休日もかなり勉強に費やして、筆記と実技がそれぞれあったので連続で2種類の試験を受けたような疲労感がありましたが、合格の文字をみて、嬉しさより正直「もう後戻りしなくてもいい。ホッとした。」というのが直後の素直な気持ちでした。これで学生の頃からの夢の1つが実現しました。

  • 申請は、合格通知はがきの原本を一緒に提出する必要があるので、翌日の通知はがき到着を待って、証紙を申請書に貼り、はがき到着即日(8月20日)申請書を送りました。

  • 交付は8月27日でした。案内には1か月かかると書かれていたので、正直この速さには驚きました。あまりに早かったので、県からの封筒を見た瞬間には申請に不備があって帰ってきたのかと思ったくらいです。速攻申請書を出したのが幸いしたのでしょうか。意外と収入証紙の入手が面倒(平日に市役所なので購入)なので、合格確認後にいざ購入しようと思うと、結構ハードルが高いです。

  • さて、実はこれで終わりではなく、いきなりガチの電気工事で自宅の単相2線30Aを単相3線40Aに容量アップする工事を施工します。幹線交換、分電盤新設、新分岐回路増設、接地極埋設と、電気工事士試験に合格したてホヤホヤの初心者がまともにやれるような範囲ではない工事を、見習いの経験を生かしてやってしまいます。このレポートはまた後日公開します。


 

 

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