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 平成30年度 第2回(2月22日実施) 無線従事者国家試験  受験レポート

区分:第四級海上無線通信士

受験地:名古屋(名古屋丸の内ビル)  天候:晴天 気温:15℃

概要

 この試験は電波法に規定されている業務独占資格である、無線従事者の区分の一つで、第二級海上特殊無線技士の上位資格です。(ちょっとややこしいのですが、国際通信が可能な第一級海上特殊無線技士の上位は、第三級海上無線通信士となり、4海通と1海特はそれぞれ範囲を含まない部分があるため、上下関係ではないそうです。)

 従事可能範囲は、モールス符号、国際通信、多重無線設備以外で、
  1 船舶に施設する250W以下の無線設備(船舶地球局、航空局除く)の操作
  2 海岸局と船舶のための無線航行局の125W以下の無線設備の操作
  3 レーダー(海岸局、船舶局、船舶のための無線航行局)の外部の転換装置で、電波の質に影響を及ぼさないもの
    (上記1,2に係わらず、レーダーについては電力の制限なし)

  4 「第四級アマチュア無線技士の範囲の操作」も可能で、四海通を取得すると、4アマとしてそのままアマチュア局の開設や運用が許されます。

 登録検査等事業者の「点検員」として任用される要件に該当し、実務経験や学歴に係わらず、点検員となることができます。
 判定員にはなれませんが、四海通の点検員任用範囲は、無制限(事業者点検が可能な無線局の全てを点検可能)です。
 1アマや1陸特も点検員の任用要件を満たしますが、海岸局、航空局、船舶局及び航空機局の点検はできない制限があります。

 下位資格である2海特との違いは、周波数の制限がなくなり、出力が大幅UPすること、4アマつき、点検員になれるというところです。


試験の仕組み

 ・マークシート式
 ・無線工学と法規の2科目があり、午前(工学18問2時間)、昼休憩を挟んで、午後(法規20問1時間30分)を受験しますので、ほぼ1日潰れます。
 ・科目合格があり、3年有効です。
 ・試験開始後45分で、途中退室可能です。
 ・陸上無線技術士保有者は、無線工学が免除になります。
 ・4海通に合格して免許を受けると、1海特と3海通を受験する場合は、無線工学は下位試験とされているため、受験が免除されます。

 ・通信士の中では、他の通信士試験にはある英語や電気通信術がないため、断トツとりやすいですが、それでも合格率は50%ほどです。合格ラインも特殊無線技士は6割ですが、7割にアップします。


受験の動機

 ・制限のない「点検員」の任用資格。(1アマや1陸特も検討していたが、制限ありだった)
 ・昨年10月の2海特から、そのまま続けたら同じ海上業務なので少しは勉強が楽になると思った。
 ・「通信士」が欲しかった…もっと早く受けてれば手帳だったのになぁ。
 ・でも、1陸特は携帯電話の基地局保守などの需要があるので、いずれ受験したいし、1アマもそのうち狙いたい。
 
 

 

試験日までの勉強方法

 

 この資格の参考書は、情報通信振興会の問題集と標準教科書(工学、法規)しかありません。

 他の受験者のレビューを見る限り、よほど初学者でない限り、試験対策として標準教科書は不要と思い、問題集のみ購入しました。

 問題集にある過去5年分の問題をひたすら過去問回し。ただし、無線従事者試験では直前回の試験と同じ問題はまず出ないため、30年8月期の問題はほとんど手を付けず、模擬試験代わりにちょっとやってみただけです。

 同じような問題もそれなりにありますが、穴位置が変化したり、なんか余分なものがついてたり、同じような問題なのにA問とB問を行き来しながら変形されていたりしていますが、暗記するときに穴以外の部分も含めて暗記しておくと、そういった変形に対応できて安心です。出題されている部分についてはなるべく全文暗記していきましたが、逆に出題されていない部分については、全く触れませんでした。

 2アマと2海特合格からあまり年月が経過していないため、それぞれの勉強の内容もそのままそれなりに役に立ちましたが、2海特があっても、出題の深さは格別です。難易度的には3アマと2アマの中間ぐらいと感じました。

 なお、2アマ保有でも、出題範囲が違いますので、法規工学ともに海上業務特有部分の勉強は必須です。海上業務関連の出題が多く、これらを落とすと絶対合格できません。ただ、海上業務関連の問題の難易度はそれほど高くはないので、勉強をしておけば十分対応できるものです。

 

 

 試験日

 2海特を受けたときと会場は違いますが、最寄り駅は同じです。四海通は午前午後があり、午後までの待機時間をゆっくり過ごす場所が欲しかったので、今回は車にしました。名古屋市内なので、朝の大渋滞を避けるために6:30に家を出て、試験場近くの駐車場に7:00着しました。工学を5年分ひととおり見直しながら、ワンセグTV見たりして2時間ほど車中で過ごし、9:00ごろに試験場入りしました。

 受検者数は20名、あまりに20名ピッタリの大きさの会場なので、名古屋市内で別の会場もあったかもしれません。
 5名ほどは空席で、昼の法規のときに来ました。

 通信士試験ということもあり、会場は非常に静粛です。2海特のように学生の集団受験がいないので、私語は全く聞こえてきません。
 年齢層は、ほとんど中年あたりの方でした。若年や壮年はいませんでした。正直、30代前半の私が一番若かったと思います。


 ・午前
 
9:30から無線工学。
 正直私は文系なので無線工学は苦手ですが、四海通は計算問題や回路問題が非常に少ないので助かります。
 過去問そのままの出題が多いものの、所々で新問や選択肢が違うもの、A問だったものがB問に移っているものがありました。
 12問は過去問そのままでしたが、過去問を完璧に丸暗記で60点です。合格ラインは63点ですから、過去問丸暗記では合格させないという意気込みを感じますね。
 私は、A問の回路と計算問題、B問小問を1つ間違え、-11点で他の変形や新問は、2アマの知識や全文暗記が役に立ちました。
 見直し3回で途中退室可能な45分経過したので、退出しました。全員45分退出でした。


 昼休みは、近所のコンビニのイートインで軽く済ませてから、車に戻り、法規を軽くおさらいし、仮眠も取ってスッキリして臨みました。


 ・午後
  13:00から法規。
  文系が得意な法規は気楽に臨みましたが、1問目から悩んだ…過去問演習の時にも間違えた問題だったのだが、どうにも思い出せず、初っ端からコケてしまった感があり、少々焦りました。
  しかし、2問目からはペースを取り戻し、無事最後まで解答を終えました。
  明らかな新問はA−8問1つだけ、これも2アマの時の知識で難なくクリア。
  特にB−2の電波型式の穴埋めは、2アマの時にもっといやらしいやつを沢山解きましたから、一般的に使う型式で出題されていて簡単に感じることができました。
  他は、過去問そのままか、過去問の出され方が変化しただけで、過去出題の条文は全文暗記という勉強が功を奏しました。
  初っ端のA−1問だけの間違いで-5点、見直し3回で途中退室可能な45分になったので、退出しました。
  工学とは違い、45分の時点では約半数の退出でした。

 

 試験を終えてみて

 通信士試験なので科目合格がありますが、四海通は、しっかり勉強すれば一発合格でも十分狙えると思います。

 また、過去5年の出題範囲をしっかりこなせば合格点は狙えますので、受験対策としての標準教科書は不要です。

 私の場合、一応過去8年分まで遡っていましたが、過去5年+新問で、追加した6〜8年前分からは全く出題なしでした。

 教科書は最初から読んでしまうと、出題されない部分にまで時間を費やすことになるため、初学者は出題されている範囲の説明を読む程度にしておけば良いと思います。

 

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