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− 放送大学履修の状況 −

 

件 名 2026年第2学期(通算第4学期、2年生後期)
日 付 2026-07-19
更新日 2026-09-21 (8)


  • 共通語句や制度の説明等は、 こちらのページにありますの で、放送大学の仕組みがよくわからない方は、ご一読くだされば理解の助けになると思 います。
  • 大学の規則により、通信指導や単位認定試験の問題や答案につい ては書けませんし、 引用もできませんのでご了解ください。



今学期の履修


 1710249:感染症と生体防御(24) 【生活
、ラジオ放送授業、15時間、 2単位
 1710230:貧困の諸相(23)    【生活、ラジオ放送授業、15時間、2単位】
 1930117:住まいの環境論(23)  【生活、テレビ放送授業、15時間、2単位】

 1730169:一般市民のための法学入門(23)  【社会、ラジオ放送授業、15時間、2単位】
 1539507:人生100年時代の家族と法(23) 【社会、テレビ放送授業、15時間、2単位】

 1579398:情報と法(23) 閉講       【情報、ラジオ放送授業、15時間、2単位】

 1760211:宮沢賢治と宇宙(24)       【自然、テレビ放送授業、15時間、2単位】

 オンライン授業を2科目4単位で考え中・・・


 合計:9科目、18単位 を予定(自コース6、他コース8)

  •  2026年1学期の単位認定試験は7月17日に全て受験終了しましたので、2学期の履修を決めました。履修したい科目のテキストはフリマ等で安いのを常 時狙っているので、その中から古い順(主に’23年開講と、今学期閉講が1科目)で、1学期と同様の放送7科 目+オンライン2科目の履修に挑みます。

  •  1学期の履修で、基盤科目の卒業要件を満たし ました。よって、今学期には基盤科目はありません。そろそろ自コース中心にシフトしてコース要件を意識しなけれ ばいけないのですが、受けたい科目を開講年度の順に並べると、今学期はどうしてもこう自コースが3科目、法学3 科目、そして異色の1科目という構成になってしまいます。

  • 「宮沢賢治と宇宙」がかなり異色の畑違いだと思 いますが、これは昨年の公開講演会での講義に触発されて、平均点も60点台付近と低くて単位取れる自信はまった くはないけどこういった普段触れることのない、文学?宇宙?分野に触れて遊べるのも大学ならではではないかと 思っての履修です。
  • 日程
    • 7月17日 2026年1学期の単位認定試 験の受験を終了。
    • 7月20日 「感染症と生体防御」から、予 習を開始
    • 8月16日 科目登録申請提出(WEB)
  • 学習計画(随時更新)この計画は「リミット」な ので、できるだけ先行する。
    • 7-8月 放送授業を、6時限まで進める。 (盆休み集中!)
    • 9月 放送授業を9時限まで進める。
    • 10月 通信指導答案作成、オンライン授業(1科目目)を集中受講して完了(2週間)、 通信指導解答(1週間)、オンライン授業 (2科目目)を集中受講して完了(2週間)、オンライ ン授業のレポート草稿を作成
    • 11月 放送授業 を10-12時限 まで進める(3週間)+追加で放送授業を15時限まで進めて自習問題解答
    • 12月 オンライン授業のレポートと 最終テストを提出(2日間)、模擬試験をぼちぼち。
    • 1月 模擬試験集中(中旬まで)
    • 1月17〜25日 単位認定試験期間



感染症と生体防 御(24)

  • この科目を選択した理由:まだ記憶に新しい新型 コロナウィルスを経験した世代として、これからも世界的な人の往来による感染症の世界的な流行というのは度々起 こるのではないかと考えています。来るその時(来ない方がいいですが)に備えて、やはり感染症についての知識を 得ておくことは重要であると考えての履修でした。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月20日 / 1学期間学んだ科目からは離れて、いよいよ第2学期の講義(予習) の始まりです。1学期は5月末で全講義の受講が終了していたので、講義自体が約1か月半ぶりなので久々なの と、新たな科目なので感じが変わって新鮮な感じがします。初回は感染症等の定義、感染の種類といった用語の 説明から、20世紀まで多数の人々を死に至らしめた、ペスト、コレラ、結核といった感染症について、歴史と 現状を学びました。記憶にも新しい新型コロナウィルス(COVID-19)も、もちろん感染症ですので触れ られました。まずはこの先の講義を理解するための下地作りといった内容でした。ラジオ科目としては珍しく、 聞き手がいました。前学期の「地理空間情報の基礎と活用」と同じ聞き手の方だと思います。ちなみに、前学期 の地理空間情報の基礎と活用や日常生活のデジタルメディアで出てきた、スノウの疾病地図が疫学の原点として 紹介されてきました。学問というのはやはり横につながっているものなのですね。
    • 8月
      • 2時限 8月1日 / 免疫学総論と題して、そもそも免疫とは何なのかと いうところから、免疫の仕組みといった、かなり難しい講義でした。とりあえずは免疫は生体防御機構の1つで あり、リンパ球を中心とするメカニズムで、水ぼうそうやおたふくかぜなど、一度かかったら2度とかからない というのは、免疫機序という仕組みであること、自分自身を免疫が攻撃することはあってはいけないので、自己 と非自己を区別する仕組みも備わっている、抗原に対して抗体が生成される、免疫にはT細胞とB細胞があり、 それぞれが別々に作用している訳ではなく、相互作用している、免疫を含む生体の制御は、サイトカインが関 わっているということがまとめになると思います。最後に参考としてがんの仕組みを5分ほど駆け足で学びまし たが、これは前学期のがんを知るをかなり簡略化した免疫機能を知るためにがんという例を出したに過ぎない内 容でした。とりあえず消化不良というほどではないので、まずまずついては行けていると思います。
      • 3時限 8月9日 / 細菌感染と免疫応答と題しての講義でした。内容は 初学者にはめちゃくちゃ難しい消化不良になる内容でしたが、講師の先生がしきりに「これらをすべて覚える必 要はありません」や「少々細かい」と言っていたので、難しくしてしまったという認識はあるようでした。免疫 の仕組みというのは非常に奥が深く、新たな発見も多いので、この授業だけで網羅することはできないとのこと でした。主な内容としては、微生物(細菌やウィルス)が宿主(体内)に侵入しただけで増殖しない(排除され た)場合は感染したとは言わないこと、微生物は宿主の免疫機序(免疫機能)から逃れるために、毒素や免疫に 必要な成分を分解させたり、免疫能を誤動作させる物質などを作って宿主の組織や細胞を破壊したり免疫機能を 抑制したりする免疫回避機構を持つこと、獲得免疫は自然免疫のコントロール下において働いていること、補体 という抗体の働きを助ける血清たんぱく質があり、微生物に補体が結合することにより、食細胞が補体を目印と して貪食してしまうこと、補体にも殺菌作用を持つものもあること、皮膚や粘膜の防御機構が破綻しなければ感 染は起こらないことといった内容でした。最後に人体はなぜピロリ菌を排除できないのかという不思議について の解説がありました。
      • 4時限 8月16日 / ウィルス感染と免疫応答と題しての講義でした。 ウィルスはDNA型とRNA型があること、ウィルスは細菌とは違い、養液での培養はできず、生存には生きた 細胞を必要とすること、そのウィルス特有の正しい感染経路から感染しなければ感染は成立しない(媒介感染で あれば、ヒトからヒトへの感染は起こらない)という細菌との違いを学習し、その後ウィルスへの免疫反応の講 義でしたが、免疫反応あたりはそう細菌と大きな違いはなさそうな感じでした。テキストがかなり難しい略称 (記号?)を用いていることが多いので、講義で解説してくれるようなヘルパー細胞、マクロファジー、ナチュ ラルキラーと書いて欲しいなぁとは思いました。そういった点で、初学者にはかなり分かりにくいテキストでし た。
      • 5時限 8月22日 / 市中感染症(1)と題して、総論的な講義でし た。まず市中感染症の定義と特徴として、特定の感染経路が推定できないものであること、対義語は院内感染と なること、院内感染は元々何らかの病気に罹患している人に感染していることや、院内という特殊性で薬剤耐性 菌を有していることもあるという違いがあることを学習しました。次に感染症の原因は細菌、ウィルス、真菌、 寄生虫など様々であるが、必ずしも外から進入したものだけではなく、普段は無害な人体の常在菌が原因となっ て感染することもあること、適切な治療には適切な薬剤が必要であり、細菌に対しては抗菌薬、ウィルスに対し ては抗ウィルス薬、真菌に対しては抗真菌薬であり、異なった薬剤を用いても効果がないばかりか、副作用や薬 剤耐性菌を発現などの問題が起こること、そして、起炎菌を特定するための検査も細菌なら培養、ウィルスなら 抗原検査やPCR検査といった別々の検査方法が必要であり、培養なら複数の1度で複数の菌種を特定できる が、ウィルスの場合は基本的に1つの検査では1つのウィルスしか検査できないため、問診等により起炎菌をあ る程度絞り込むことは非常に重要である。やみくもに複数の起炎菌を特定するための検査を行うことは、患者は もちろん、検査者や医療財源といった医療資源にも無駄な負担をかけてしまうという鋭い指摘もあり、一番はや はりそういった検査は、検査前確率の高さが精度(感度や特異度)にも影響するため、罹患可能性の低い人に検 査をして陽性となっても、それは非常に低い精度となってしまい、結果として診断や治療の判断に用いることが できないという無駄が発生するとのことでした。他、薬剤のバイオアベイラビリティや、コンタミネーション防 止、エンピリックについてとかなり盛りだくさんでした。
      • 6時限 8月24日 / 市中感染症(2)と題して、よくみる市中感染症 の症状、治療の具体例を見ながら、前時限で学んだ問診や適切な薬剤を選ぶことの重要性を確認していく講義で した。一般的な風邪症候群では、事前に治癒して後遺症もないため、医療機関の受診や投薬は原則不要である が、風邪症候群であるか、そうでないかの見極めは重要であること、風邪に対して効果のない抗生物質などを乱 用すると耐性菌が増えてしまい、必要な時に使えないということになるので、安易な抗菌剤の使用は控えるべき であるとの内容から始まりました。全体的な内容としては医療者向けのものを一般人でも理解できる程度に要約 したといった感じでしたので、実際の治療や薬剤の選択方法など医療者以外は考えることのない内容も多かった のですが、医師がどのように診断していくのかというプロセスをおぼろげながらも理解することができたことに より、今後患者として医師と接する時も問診の大切さやエンピリックな治療により途中で薬剤が変更となる理由 など、少し知っているだけでも「いちいち聞かないで早く検査して」とか「薬が効かなかったとか誤診だ」と いった非生産的な誤解が生じることも少なくなるのではないかと感じました。医師の側も「センタースコア」や 「アンチバイオグラム」といった手法でできるだけ簡便かつ迅速に処置できるような仕組みを持っていることも 学びました。興味深かったのは、インフルエンザウィルスとインフルエンザ菌は、名前が類似しているが、直接 の関係はなくインフルエンザウィルスに罹患していた人から検出されたことからインフルエンザ菌として命名さ れ、それが歴史的にそのまま残っているだけであり、全く別々のものであるという説明には、そういう例もある んだなと感じました。
      • 7時限 8月30日 / 結核と題しての講義でした。結核は前学期でも概 説が度々出てきていましたが、結核だけに焦点を置いて1コマも使う講義は初めてです。概説だけでは日本は結 核蔓延国を近年やっと抜け出せたということで、なんとなく古く発展途上国などでしか発生していない感染症と の意識でしたが、全くの無縁ではないとのことでした。結核は初期感染は無症状であることが多いが、一度感染 すると体内に永久的に生存しており、免疫が弱ったタイミングなどで発症する可能性があるとのことでした。こ のように免疫が弱ったタイミングで発症する感染症はいくつかありますが、結核が世界的に恐れられている理由 として耐性菌の多さ、治療期間の長さ(最低でも6か月の服薬治療)、そして完治はしない、HIV罹患者は発 症率が高く(一般人は生涯で10%だが、HIV患者は年間で10%とされる)、同時に発症すると薬相互の作 用の問題などもあり、治療が難しい(結核の方が致死率が高いので優先される)、空気感染する、抗酸菌なので 胃液でも死滅しないといった特徴があるとのことでした。抗酸菌のでも結核でなければ空気感染はしないので、 速やかな確定診断や、本人も結核に感染していることを認知していない可能性もある(他の病気として診断され ること)ことから、二次感染を防ぐためにも速やかな確定診断が大切であるとのことでした。非常に怖い感染症 だと感じました。
    • 9月
      • 8時限 9月8日 / HIV感染症と題しての講義でした。HIV感染症 の概況、症状、治療法といった内容でした。現代では毎日飲む薬も量が少なくても済むようになっていること や、飲み薬に代えて2週間〜1か月間隔での注射による投薬もあり、以前よりは飲み続ける負荷が減ってはいる ものの、前時限の結核と同じように正しく処方された薬を服用しないと耐性ウィルスの出現を誘導してしまうこ とから、正しい服薬は大前提であるとのことでした。やはりHIVは初期感染では特異な症状はなく、一般的な かぜなどの疾患に間違われることも多く、初期感染で見逃されてしまうと、次に受診したときには重い症状に なったときの場合も考えられ、HIVは治療開始が遅れるほど予後が悪くなるので、早めの検査や正確な検査診 断が重要であることが理解できました。また、HIVだけの話ではなく、HIVの罹患者の半数は精神神経疾患 があること、普通の人ではまず起こらない日和見感染症の同時多発、骨にも異常がでることなど色々な視点から HIVウィルスの影響を知ることができました。早期に治療を開始し、服薬を続ければHIVの発症よりHIV に関わらない別の疾患で死を迎える例があるほど、予後は良いが、現代でも、一度HIVに感染すると服薬を生 涯止めることはできないという点で、やはり重い病気であることには変わりはないと感じました。
      • 9時限 9月14日 / 真菌感染症と題しての講義でした。真菌は多くは ヒトを含めた生物の味方ではあるが、ヒトを含む動植物に感染症を引き起こすこともある、健康な人では感染し ないか、しても軽症であることが多い真菌であっても、免疫力が低下すると重症化しやすいので注意が必要であ ること、真菌は真核生物で、糸状菌と酵母型の2種類に大別されるが、それぞれ増殖の仕方が異なる。温度によ り形態を変えるものも存在しており、二形性とよばれる。真菌症は、表在型、深部皮膚、深在性の3つに大別さ れるといった真菌の一般論の後、具体的な白癬(水虫等)やアレルギー疾患を学習し、最後に検査、治療、予防 を概観しました。真菌に対するワクチンは現在存在していないので、とにかく皮膚表面や粘膜を清潔に保ち、特 に土壌や汚染水に接した場合は、しっかり石鹸で洗い流すなど、日々のうがい手洗いといった古典的ではあるが 基本の対策の重要性を実感しました。
      • 10時限 9月20日 / 寄生虫感染症と題しての講義でした。寄生虫と いうとがんばれば肉眼でも見えそうな比較的大きな虫が寄生するものだと思っていましたが、単細胞の原虫だと 顕微鏡でしか観察できないぐらい知さなものから、最大で10mにも及ぶ多細胞のぜん虫までかなりサイズ感が 違うことにまず驚きました。寄生虫感染も、ウィルスなどと同じく感染経路が限定されているため、発育段階と 侵入経路が一致しないと寄生は成立しない、種類によって寄生する臓器(寄生臓器)が決まっていて、そこに到 達する移行経路も知られているので、これらを理解することが重要であるとのことでした。基本的には経口又は 経皮で感染するが、土壌、水、食品(生鮮魚介類、肉、果物など)と多くの物体にそれぞれ寄生虫が存在する可 能性があることから、特に食品は指定されている処理方法を守るなどの対策が重要であるとのことでした。でき れば虫などが実際に体から出てきた場合は、トイレなどに捨ててしまわずにそのまま医療機関に持ち込むと、迅 速な診断ができるとのことなので、それだけは覚えておこうと思いました。



貧困の諸相 (23)

  • この科目を選択した理由:自コース科目で探して いたところ、「貧困や格差と解決」というなんか興味というか、正直、引っかかるものがあって、履修を決めまし た。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月20日 / 初 回講義ということで、約15分間は全15回の概要説明で、その後貧困の定義や絶対的貧困と相対的貧困や貧困 の調査の方法についての概説でした。そもそも貧困という言葉自体が広い概念で定義することは難しいが、一般 的には、必要な金銭が物資不足していて、最低限の食生活を満たせない状態と思われがちであるが、そもそも貧 困とはそのような一元的なものではなく、大きく分けて絶対的貧困と相対的貧困があり、前者は発展途上国で、 後者は先進国で起こり得るとされる。貧困は、先に述べた食生活を満たせないもの以外にも、教育、衛生、医 療、ケア、水、交通機関、電力、道路といった様々な要素から多元的に考える必要がある。努力が足りないなど 自己責任とする風潮が強いが、学説では富が一部に集中してしまい、適切に分配がされていないという資本主義 経済の問題点であり、決して個人の責任ではない。前学期の「健康と社会」でもあった「社会的貧困」や「ス ティグマ」といった問題も関連している。「アダムスミスのリネンのシャツ」という話があり、皆がリネンの シャツを着ているのに自分だけ買えないから着られないという、周囲より自分の生活が劣っていることも貧困の 1つである。また、お金持ちで経済的には恵まれているものの、それは実は長時間労働により得ていたものであ り、その人は一般の人より多くの時間を労働に費やしてしまっているため、周囲より自由な時間がない「時間の 貧困」と考えることもできるなど、多元的な視点が重要であることを学びました。
    • 8月
      • 2時限 8月1日 / 貧困と救済の歴史(貧困対策の変容)と題して、貧 困は元々は権力者が社会秩序を維持させられる程度にしか対策されておらず、古代では5歳までに60%が死亡 したという記録があったとのこと。農業中心の時代になってから、農民に対して貧困対策が行われるようになっ たが、それも農民を保護することにより領主が経済力を維持するためのものであった。それが、江戸時代になる と、講といった近隣組織により共助、更に共助に対して幕府が関与することにより公助に近い考え方が出現し、 近代の福祉国家の成立により、「自助、共助、公助」が掲げられ、現在に至っている。貧困により社会秩序が乱 れると、結局は治安等が悪化し、貧困でないその他の人や権力者にも回りまわって影響があることから、貧困対 策を他人事とは思わないことが大切であるとの内容でした。これからのAI時代に、「ベーシックインカム」と いう考え方も出現、現時点で本格採用している国はないが、試験的に地域として採用している例はあるとのこ と。ベーシックインカムは、いきなり「公助」が受けられるというこれまでの考え方の真逆となる考え方である が、色々諸問題もあるのでまだ理想の段階である。日本では生活保護を初めとする「公助」を受けることは、相 当のスティグマを与えられてしまうので、本当に必要とする人の2割ぐらいにしか支援できておらず、これは諸 外国と比較すると非常に低いとのこと。日本人の世間体を気にするという悪いところが出てしまっているなと感 じました。
      • 3時限 8月9日 / 近代日本の貧困と題しての講義でした。前時限はか なり古い時代から世界的な視点での講義でしたが、今回はタイトルの通り近代の日本に絞っての講義でした。か なり前時限と重複するところがありましたが、結局のところ、日本でも貧困対策はあくまで社会治安、秩序の確 保のためであり、戦中には様々な貧困対策に近い政策が取られたが、これも戦死した遺族に対するものであった など、結局のところ前時限でも習った世界各国と同じ道をたどってはいたが、日本はかなり遅れて同じ道をた どったようである。日本では明治維新による近代化、資本主義化により、貧困層が多く生まれてしまい、日本は 特にひどかったようである。それを是正するために、第二次世界大戦後には農地解放や財閥解体などが進めら れ、中間層が多くなったものの、現代では富裕層と貧困層の差はますます広がっているとのことでした。
      • 4時限 8月16日 / 現代日本の貧困と社会保障制度と題しての講義で した。戦前の日本は社会保障制度が存在はしたが、全国民をカバーしているものではなかったのが、戦後の経済 成長とともに社会保障制度も整備拡充されていったこと、しかしバブル崩壊とともに、政府の財政回復のために 拡充された社会保障は給付の引き下げを伴う改革が実施され、今に至っているとのお話でした。団塊ジュニア世 代が退職する2040年頃には、老齢年金は現役世代の50%程度しか支給されないという試算もあるとのこと (現在は60%程度)で、そうなってしまうと年金で生活を維持できない高齢者が多く生活保護を利用すること となり、財政はより一層圧迫される可能性があり、そのタイムリミットまで約20年あるので、どのような対策 を行っていくかが大変重要である。また、生活保護では乱給がしばしば問題視されるが、乱給を避けるために審 査を厳しくしたりすると、逆に漏給が発生する。漏給は人の生死に直接かかわる問題となるので、乱給を問題視 するより、まずは漏給をなくすことが絶対であるという社会への指摘もありました。
      • 5時限 8月22日 / 欧州と世界の貧困史(古代から現代の貧困政策) と題しての講義でした。ザクっと言ってしまえば、世界史の講義で、世界も前2時限で学んだ日本とほとんど同 じような歴史を辿っていることが分かりました。特筆することは、日本と同じく富裕層による慈善(喜捨)や宗 教や業界団体による施し(相互扶助、互酬)が貧困者救済の中心であったこと、特に多くの宗教で施しを勧奨し ていること、17世紀のイギリスの救貧法が世界初の貧困者対策であったこと、しかし、日本と同じく治安や秩 序維持を目的としたものであったこと、第二次世界大戦終戦を機に、福祉国家による手厚い貧困者対策(現代の もの)が提供され、給付の内容も拡充していったが、やはりオイルショックやニクソンショックにより経済成長 が鈍化し、「小さい政府」と「第3の道」が掲げられ、過剰な給付は抑制されていくこととなる。疫病、暴動、 戦争は革命の源であり、資本主義社会のゆがみにより富が一極集中したとき、歴史は疫病、暴動、戦争の発生に より社会が崩壊し、富の一極集中も是正されてきたというのは世界でも共通の話であり、現代はその富の一極集 中が先の世界大戦以前のレベルにまでなりつつあるとの指摘もありました。
      • 6時限 8月24日 / 貧困の測定と題しての講義でした。貧困の測定を 世最初に始めた3人(チャールズ・ブース、B.S.ラウントリー、ピーター・タウンゼント)のぞれぞれの測 定方法を学んだのち、現代の様々な測定方法(絶対的貧困、相対的貧困 等価可処分所得の中央値 (50%:OECD、60%:EU) 1日当たり1.9ドル(世界銀行) 生活保護の最低生活費又は住民税 非課税基準(日本) 等価尺度(世帯規模の経済性) 金銭的貧困指標、非金銭的貧困指標)の特徴とメリット とデメリットを概観しました。講師の先生もおっしゃっていましたが、どの方法が正しくて適正であるというも のはなく、それぞれに特色があるので、何を目的として測定するのかなど、様々な諸条件を勘案して、適当と考 えられる手法を採用するほかないとの話が、貧困というものを定義することや測定して客観的な数字にすること の難しさを物語っていると感じました。
      • 7時限 8月30日 / 日本における貧困と題して、日本での貧困の測定 に用いられることの多い「相対的貧困律」「生活保護基準」「市町村民税非課税基準」の3つに焦点を当てて、 1985年と2015年を比較して日本においてどのような貧困の状況であるかを概説する講義でした。高齢者 の貧困率は高いが、再分配後には大きく下がっていることから公的年金やそれらの非課税処置による再分配が機 能していると評価できるものの、若年層や現役世代(再分配の取られる側)では、逆に再分配後の貧困率の方が 高いこともあるとのことでした。先進国での貧困の測定は「金銭的貧困を所得で測定」する方法を用いることが 多いことから、国際的に比較しやすいという利点もあり、日本でもこの方法が多用されている。貧困の基準に唯 一の正解がない=貧困の測定結果も正しいとは限らないという視点を持ちつつ、複数の手法で測定して観察して その傾向を見ていくことが大切であると感じました。貧困率を下げるには高齢者や貧困層への再分配を増やすこ とが必要であるが、それには膨大な財源が必要であり、その結果、現役世代が貧困に陥ることになるとも考えら れるし、他の方法も絶対の正解ではない。今後も皆で考えていく姿勢が大切であるとの締めでした。
      • 8時限 9月9日 / 朝活です。貧困の国際比較と題しての講義でした。 総じて欧州は貧困対策が行き届いており、再分配後の貧困率は低いが、日本はほとんどの比較項目において、国 際的な動きとは異なる結果が出ていて特異である。その背景として貧困から脱する一つの有力な方法である就労 に焦点を当ててみると、日本特有の働き方(女性の非正規雇用の多さ、男性でもひとり親など家族責任がある人 は非正規雇用になりがちといった、フルタイムで働けない人は全て非正規雇用に落とされてしまい、非正規雇用 は正規雇用の約半分の収入となることから、日本においては就労収入を増やすことが難しい属性が存在するとい う、日本の社会構造の問題に切り込む講義でした。特にひとり親とふたり親で貧困率を比較したとき、国際的に はふたり親の方が大きく貧困率が低下するのに対し、日本ではひとり親でもふたり親でもほとんど変化がないと いう結果がそれを物語っているとのこと。日本では税制(非課税枠内の働き方など)による就労を抑制してしま う制度もあると考えられる。また、日本の高齢者は国際的に比較すると晩年まで長く就労している傾向にある が、それでも日本の高齢者の貧困率は国際比較で真ん中程度と、低くはない。日本では「失われた30年」など という言葉が時折飛び交いますが、なにか世界とは違う動きをする闇があるように感じました。
      • 9時限 9月15日 / 貧困問題に関する社会保障(1)と題して、生活 保護制度の役割と課題についての講義でした。生活保護制度は今学期の別科目でも過去に履修した科目でも何度 か学習していますが、その歴史や算出方法やスティグマ、福祉事務所の問題と、生活保護制度だけに1コマ使っ たこともあり、かなり深掘りした内容でした。
      • 10時限 9月20日 / 貧困問題に関する社会保障(2)と題して、生活困窮 者自立支援制度と生活保護制度の課題や未来(今後)についての講義でした。まず生活困窮者自立支援制度 は、生活保護に至る前や生活保護ではカバーできない困窮者に行政が積極的に介入して自立を支援するもの であるが、そのほとんどが「任意事業」であるため、全国統一で行われているのは「自立相談支援」と「住 居確保給付金」のみであり、必須事業は国から多額の補助があるものの、任意事業については国の負担分が 最高でも半額と地方自治体の持ち出しも多いため、居住している地方自治体の予算の制約を受け、地域差異 があることが問題の1つである。また、貧困の世代間連鎖を断ち切るため「子どもの学習、生活支援事業」 が大切であるが、これも任意事業である。近頃は生活保護でも子どもの高校、大学進学については同様の理 由から寛容にはなっている。生活保護においては、年金受給額の減少→現役世代が不安に思い支出を抑制→ 消費水準が低下し支給額が更に低下(水準均衡方式)→更に年金額が減るという負のスパイラルに陥ってお り、年金だけでは生活できない高齢者の生活保護受給は今後ますます増えていくとされている。そこで、諸 外国では、年金や保護の受給者をカテゴリ別に分けて判断したり、負の所得税、給付付き税額控除、ベー シックインカムといった様々な手法を検討、試行している国がある。特にベーシックインカムについては時 間を割いて解説され、ベーシックインカムと労働意欲や、ベーシックインカムがあるのなら年金やその他労 働を保護する制度も不要となるので廃止するのかといった、様々な問題があり、フィンランドで試行された ものの、導入は見送られたとのこと。労働は尊厳のない強制的な苦役も考えられこれは当然に是正されなけ ればならないが、活力ある生活といったメリットも軽視できないので、単にベーシックインカムにより人間 を労働から解放することが是とも言い切れないから今後も議論が必要とのことでした。単に制度を見るだけ ではなく、新たな制度がどういう副作用を起こすのか、現役世代の消費マインドの低下が結局は将来の自分 に返ってくる負のスパイラルなど、色々と考えさせられる内容でした。





住まいの環境論 (23)

  • この科目を選択した理由:社会と産業コースの科 目ですが、自コースとの共用科目になっているので、自コースとして取れる科目であること、平均点が過去2回85 点程度で高めであること、5年前のマイホーム購入後からやはり色々家について考えることも増えていることを踏ま え、1年次に履修済みの「暮らしに生かす不動産学」に続く、不動産関係の科目です。科目名が小難しそうなので、 平均点が低かったら多分取ってなかったかなとも思います。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月25日 / 今 学期初のテレビ放送授業です。初 回講義ということで、半分で住まいという言葉や考え方の初歩、残り半分は全15回のガイダンスでした。住居と「じゅうきょ」と読むか「スマイ」と読むかの 考え方(ハードとソフト)の違い、住環境は屋外〜宇宙までの入れ子構造であること、この授業を通して「住環 境リテラシー」を養うことを目標とすることが示されました。全15回の説明を見る限り、なかなか興味深そう な内容が多いので、率直に面白そうな科目ではあるが、試験は色々難しいこと出してきそうな感じだなとも思い ました。
    • 8月
      • 2時限 8月2日 / 本日1番目の学修科目です。住まいの変遷と題して の講義で、人間にとっての住まいの必要性というところから、現代のタワーマンションに至るまでの住様式の歴 史を見る講義でした。まずは古代は適当な洞窟などに人間も住んでいた訳ですが、人間の数が増えていくにつ れ、すべての人々がちょうどいい(大きさや場所等)洞窟を住処に出来る訳でもなかったこともあり、住居が必 要となってきた。竪穴住居から高床式住居へ進化していき、明治には和洋折衷の様式でガス、水道、電気が通る 時代となった。基本概念としては戦後には南向きに人がいる部屋を配置し、冬至日照4時間確保という概念が あったとのことだが、人口が増えていくにつれ、土地の有効活用、高密度化が求められるようになり、日照は最 低2時間に短縮され、更に南向きにすら建築されなくなっていった。というような内容でした。
      • 3時限 8月9日 / 住まいの実際と題して、ソーラータウン府中のロケ 映像や関係者インタビューを見ながらの講義でした。建物だけではなく、周辺の植栽、環境、配置なども住み心 地や冷暖房のエネルギー消費に少なくない影響を与えること、各棟の土地に柵などの境界壁を設けず、中央に園 路という両脇に植栽を設けた未舗装道を整備することにより、通風、日よけ、路面温度上昇の抑制などの効果が あり、また、全棟共通に面している園路を介してコミュニティーも形成されているとのこと。個人的な意見とし ては園路の整備とその土地の供用までは許容範囲ですが、私は各棟しっかり境界壁で覆ってプライベートとパブ リックをしっかり分けたい考えなので、園路と各棟土地はしっかり区切りたいですので、好みが分かれるところ かなぁと思いました。このソーラータウン府中の事例をベースに今後の学習を進めていくとのことでした。
      • 4時限 8月16日 / 日本の気候特性の見方と題して、日本の気候特性 を学びつつ、世界と比較して、地域の建築技術(ヴァナキュラー建築)や、地域の特性を考慮した建築の重要性 を確認する講義でした。特に、その地域の気候特性、年間を通しての気温、湿度、風向、日照時間などを考慮し て、建物は建築される必要がある。日本国内であっても、北海道から沖縄まで同じ建築でよい訳ではなく、比較 的近い地域であっても、特に風向や風速は地域、季節、昼夜でかなり違うことに留意しなければいけないとのこ と。そして、更に「日照権」という権利があるほど、人体にとって日照というものが大変重要であること(サー カディアンリズムやメラトニンの役割)を概説した上で、「冬至の日照4時間」は、最低限守るべきラインであ ることが改めて示されました。特に、南側には植栽などを設けず、できるだけ間口を空けて日光と通風を確保す るという考え方が一般的だと思っていましたが、必ずしもそうではなく、ある地域では、南側からの吹きおろし の風がかなり強いため、南側に背の高い防風の植栽を設けている地域もあるという点が、なかなか興味深い話で した。
      • 5時限 8月23日 / 世界と日本の住まいとまちのかたちと題しての講 義でした。まず、住まいの主要な目的を確認するため、いくつかの動物の巣を例に、住まいは外敵や環境(遮熱 や気温差)から身を守るためのシェルターとしての役割があることを学びました。その後、日本では古来から木 材が豊富に存在し、雨の多い地域気候であることから、傾斜屋根のある木造軸組工法の住まいが多いが、世界に 目を向けると、その土地で入手しやすい材料(石材やレンガ材)、地域特性(地盤が硬い場所では地下居住)、 材料や地域特性に対して更に気候による工夫(通風塔)がなされている、ヴァナキュラー建築が一般的であっ た。しかし、現代では工業化された材料(コンクリート等)が世界各地で多用されているため、ヴァナキュラー 建築は姿を消しつつあり、それは日本でも同様である。世界の有名都市では、街並み(家屋の形状など)や彩色 に一定の統一感(その土地の特色)が生まれるものであるが、日本の都市においては街並みは不揃いで統一感が ないことが指摘され、これから日本でもそういった点も徐々に醸成されていくことを期待したいとの話もありま した。海外都市では、「外壁は公」という考え方が強いようで、周りになじむように合わせる文化が醸成されて いるのに対し、日本はまだそういった考え方は一般的ではないという指摘もありました。
      • 6時限 8月25日 / 朝活です。住まいの温熱環境と題して、人体の体 温調節から熱収支と快適性、温熱快適性に影響を及ぼす要素といった温熱の基本から入り、周囲の環境や着衣量 などによっても快適性が変わること、そして実際の建築での温熱快適指標(判定方法)を学びました。熱は熱い 方から冷たい方へしか移動しないのは自然の法則なので、周囲が寒ければ人体の熱が奪われ、周囲が暑ければ人 体に熱が伝わるといった基本は、言われてみるとなるほどと感じました。
      • 7時限 8月31日 / 朝活です。住まいの空気環境と題しての講義でし た。まず人体にとっての空気として、飲食物の4倍量を取り込んでおり、新鮮な空気がいかに重要であるか、そ して、新鮮な空気とは何(どのような組成)かといった基本から、換気と通風の違い、換気の第1種〜第3種の 区別、通風の取り込み方による空気の通り道(通風輪道)の違いといった自然現象の講義でした。特にいくら開 口(窓を開けて)しても、出口がなければ空気は取りこめないというなんとなくそうは思っていたことが自然現 象としてそうであると分かったことなど、すっきりした部分もありました。
    • 9月
      • 8時限 9月9日 / 住まいの光環境・視環境と題しての講義でした。光 (光源)の色や波長が物体を見る上で見え方に大きな影響を与えるほか、人間の精神面にも影響を及ぼすこと、 その性質を利用して、色温度などを時間によって変えることにより、よい目覚めやリラックスへの効果もあるこ と、窓は光源としての利用はもちろん、換気や開放感などの身体、精神的な面でも必要であり、床面積の7分の 1以上の窓が必要との規定があるぐらいである。色の正確な数値表現方法(表色系)や、光源の色温度などによ り同じ色でも見え方がかなり違う(演色性)、これらを考慮して外壁やインテリアへ色彩を応用するときは、色 の影響は面積が大きいほど強く見えるため、できるだけ大きなサンプルを使うと良い、また、周囲の色の明暗に よっても見え方が違ってくるので、タイルであれば目地の色までしっかり検討すると色選びでの失敗が減るので はというお話もありました。
      • 9時限 9月16日 / 住まいの音環境と題しての講義でした。音の基本 事項(可聴範囲、騒音レベル、遮音と吸音、人間には低い音ほど大きな音でないと聴こえない)を概観したの ち、実際の生活空間における音の大きさの比較や、実演映像を交えながら二重窓や遮音換気口の遮音の効果、実 際に用いられている遮音性能や遮音方法を学びました。最後に、近隣の騒音問題はしばしば訴訟になるほどの大 きな問題であり、都市生活においては自らの発する騒音にも配慮して生活しなければならないのはもちろんであ るが、ピアノの演奏音を例として、ソーラータウン府中での事例として、たまたまピアノを演奏するときに窓を 閉め忘れて演奏してしまっていたところ、演奏が終わったタイミングで外から拍手が聞こえてきたとの例が紹介 され、同じピアノの演奏音という音であっても騒音を発生させる人と聴く人との関係性によっては好意的に受け 止めてもらえることもあるので、近隣との良好な関係作りも騒音問題には大切であるとの締めでした。





一般市民のため の法学入門(23)

  • この科目を選択した理由:社会と産業コースの科 目です。前学期の公開講演会に触発されての履修ですが、人気科目なのかテキストの価格が高騰していて、なかなか 手に入らなかったので今学期の履修は難しいかと思いましたが、なんとか999円で手に入ったので履修となりまし た。1年2学期の本格的履修から日本国憲法に始まり、労働法、行政法など文系法律科目を取ってきましたが、法律 そのものの下地がある訳ではなかったので、少し詰まるところもありました。そのため、順序は逆になってしまいま したが、初歩を学ぼうと思っての履修です。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月26日 / ラ ジオ科目です。確か中華人民共和国のご出身と記憶しています。少し日本語のイントネーションが気になるとこ ろはありますが、意外とはっきり発音してくださるので、単調にならず、慣れると聞きやすいとも思えてきま す。内容は、1時限目からかなり飛ばしてきました。どの科目でも1限目に多い用語定義から始まりましたが、 法学は用語定義が特に重要です。「法」「法律」「法学」「法律学」の定義、違いから、法規範(行為規範、裁 判規範、組織規範)の違いや相互関係、法以外の道徳、慣習、宗教といった規範と法の関係、法は何を目的とし て、どのような理念や機能を有するのか、といった、かなりのてんこ盛りでした。とりあえずは全体像という か、基礎中の基礎と概論といった感じでした。「道徳」や「慣習」が「法」になっている場合も多いとのこと で、分かりやすい例として挙げられたのは、「人の物を盗んではいけない」は、「道徳」として考えることもで きるが、道徳や慣習は人や地域により異なることがある。そのため「法」にして、道徳や慣習ではそれを強制す ることができないが、法であれば国家権力が強制させることができるといった根本的な違いなどを学びました。
    • 8月
      • 2時限 8月2日 / 世界の主な法体系と日本の法文化の形成と題しての 講義でした。大陸法とか英米法とか、1年次の「グローバル化時代の日本国憲法」でも触れた内容ですが、こち らは法にまで細分して比較的深く掘る説明でした。やはり、日本は大陸法系を基礎としつつも、ドイツ法に傾斜 し、戦後はアメリカ法の影響を受けたという3段階で進化してきたという内容でした。
      • 3時限 8月14日 / 法源と題しての講義でした。法源の意味から、憲 法、法律、政令、省令や条例といった成文法の優劣や目的、国際法と憲法など他の国内法との優劣関係、不文法 として、特に慣習法が法的にも認められている商法を例に慣習法の意義や必要性、一団体や民間企業が作成する 定款や約款といったものに法源を認める学説があることに触れ、法源とするのか、ただの契約(合意)として考 えるのが妥当かを検討するインタビューなど、色々新たな知見が生まれた講義でした。特に、このインタビュー の先生は定款の類を法源とすることには否定的で、ごく一般的な法律のように国民の代表である国会議員が審議 して成立させる、国民の認証(オーソリゼーション)があるのに対し、定款の類はその組織や団体が勝手に作っ て、その関係者や契約者に一方的に守らせるという、オーソリゼーションの手順が存在しないことを大きな要因 として挙げていました。ただ、定款のような内部の人間にしか適用されないものであれば、その内部の人間の オーソリゼーションがあると判断して、法源を認めることも考えられなくはないとの意見も述べておられまし た。
      • 4時限 8月16日 / 法の分類と題しての講義でした。法がその形態や 役割から区分がされており、それぞれの区分の詳解、また、一つの法は形態や役割ごとに概ね1つの分類に区分 されることが多いが、必ずしもそうとは限らず、特に行政法の中には実態法と手続法の両方が1つの法典(法 律)となっていることもあることなどを学びました。特に興味深かったのは、国際法の部分で、よくニュースな どで「国際法違反として非難」などと報道されることが多いので、そういう全地球的な法規があるのかと思いき や、なんと国際法は、条約、慣習法、法の一般原則という、条約以外は不文法という、かなりいい加減な体制で あることでした。条約も、締約国の範囲にしか効力は及びませんし、講義後に調べてみると国連憲章ですら、批 准していない国があるということが分かりました。ロシアの件も含めて、世界というのはかなり不安定な秩序の ものとでギリギリのバランスで成り立っているのだと感じました。
      • 5時限 8月23日 / 法令・条文の構造と題して、法令そのものの構成 や条、項、号、本則、附則などの違いについての講義でした。特に条は号は条文の改廃により条番号を変更する ことは少ないようであるが、項についてはただの段落の目的なので、改廃により項番号は変動することが一般的 であるという違いや、編、章といった条文などをある一定の分類にまとめた単位も存在することなど、学ばない と考えもしないような役割の違いについて知ることができました。
      • 6時限 8月26日 / 朝活です。法令用語(1)と題しての講義でし た。この辺りは過去の公開講演会で一部触れたところです。「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」の 関係や重ね方、ときが「時」か「とき」でも違う、ものが「者」と「物」は違うのが分かりますが、まさかひら かなの方もただの表記ゆれではなく別の意味がある、「その他」と「その他の」も違うといった内容で、法令は 深いと感じました。
    • 9月
      • 7時限 9月1日 / 朝活です。法令用語(2)と題しての講義でした。 様々な述語を例に法的にどのように解釈されるのかを概説する講義でした。まぁそうだろうというものもあれ ば、「推定する」は覆すことも可能だが、「みなす」は覆すことはできない、「改正する」は法令の全部又は一 部を改める場合で、「改める」は、個々の条項を修正するという意味合いになるなどの内容でした。同じ「か りょう」でも、「過料」は行政罰で前科にはならないが、「科料」は刑事罰であり前科になるという点は印象的 でした。「善意」と「悪意」も、一般的な用法とは違い「その事業をしっているか知らなかったか」という意味 になるが、まれに一般的用法でも用いられることもあるので注意が必要とのことでした。最後に公開講演会でも 取り上げられた難読な法令用語をさらっと紹介し、法令用語は日本から中国に逆輸入されたので日本の法令用語 と中国の法令用語は同じものが多いという解説で終わりました。
      • 8時限 9月10日 / 朝活です。法の効力と適用に関する諸原理等と題 しての講義でした。法は、時間的効力、地域的効力、人的効力の3つ(いつ、どこで、だれに?)を考える。改 廃などにより法令間に矛盾が生じることもあるので、そういった場合は、所轄法令優先、上位法令優先、特別法 優先、後法優越といった解決方法がある。個別の規定にも、任意規定、絶対的強行規定、片面的強行規定があ り、それぞれ当事者間の合意により変更できるもの、絶対に変更できないもの、一方(力の強いもの)に対して 絶対的に変更ができないもの(弱者保護のため)があるといった法を読み解くうえで核となる考え方を学びまし た。
      • 9時限 9月17日 / 法令解釈の方法と題しての講義でした。法令は本 来なら完全無欠で正確性や厳密性が確保されなければならないが、時代の推移などにより法令の立法者すら想定 していなかった状況が発生する。このような場合に法令をどのように解釈していくのかという講義でした。法規 的解釈、学理的解釈(文理、論理、目的論的解釈)に大別される。法令の解釈においてはまず法規的解釈が最優 先され、法規的解釈では解決できない場合は、学理的解釈を適用する。分離解釈では様々な解釈法があるが、採 用する解釈法によっては全く反対の解釈になることもあるため、どの解釈法の結果が妥当であるかは慎重に見極 める必要があることや、罪刑法定主義の観点から、刑法においては類推解釈と勿論解釈の適用は許されない。 他、他の法令との関係や外国法を継受した法令の場合は、その元となった法の趣旨や現状、更には憲法の公共の 福祉に適合するかといった総合的な判断が必要で、非常に複雑なプロセスであると感じました。




人生100年時 代の家族と法(23)

  • この科目を選択した理由:今学期法学2科目で、 法学の多い社会と産業コースの科 目です。こちらは「一般市民のための法学入門(導入科目)」とは違い、人生を歩んでいく中で必要となってくるであろう法知識を学ぶ専門科目です。法学入門 と同時履修になってしまったのはたまたま、開講年度が23年度だったからと、放送大学の法学科目は人気科目なの か、テキストが出ても高いしそもそもほとんど出ない感じでしたが、なんとか950円で入手できました。学生は新 品1,000円ですから、それ以上は出す気はないのですが、1,000円までは早く予習するための時間を買った と思っているので、むしろ手に入ってよかった感じです。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月26日 / テ レビ放送授業で、今学期2科目の法学授業です。そして、本日の法学3科目の2番目です。まずは家族に係る法 の類型分類、明治から続く民法の歴史、家族法として基礎となる家族の範囲(親等)を学びました。意外なこと に、家族法の核となる民法に「家族」という語は一切用いられておらず、「親族」と表現されていること、「兄 弟姉妹」は「きょうだいしまい」ではなく、法律としては「けいていしまい」と読むことなど、意外と知らない ことは多いなと感じました。法学入門の李鳴先生とは違い、単調な語り口の先生で、ラジオ科目だったら寝てし まいそうな感じですが、講義の内容としては割と分かりやすいのでこの先も期待大の科目です。
    • 8月
      • 2時限 8月2日 / 婚姻を題材として、主任講師の先生とは別の章担当 講師の方でした。そもそも結婚とは何か、結婚すると両性の間にはどのような法的変化(権利義務)が生じるの かといった内容でした。なんとなく今までの社会生活で身に着いていた部分も多かったのですが、もちろん「日 常家事債務の連帯責任」といった知らなかったこともあり、改めて整理してみると婚姻という効力がいかに強力 なものであるのかを再認識することができました。特に今話題の夫婦別氏制度についてはゲストの先生の話も聞 きながら、裁判で別氏制度そのものは憲法でも禁じられているものでもなく、合理性がないとも言えないが、裁 判で決めるものではなく、国民の代表である国会の判断すべき事項であるとして判断を避けたことや、選択的夫 婦別氏制度を採用することにより、別氏にするかしないかというところから選べる自由な制度が必要ではないか という問いかけでした。
      • 3時限 8月14日 / 親子を題材としての講義でした。特に出生、懐胎 (妊娠)、嫡出(出産)、認知、養子縁組といった、家族関係の始まりの部分の内容でした。それぞれ基本的な 仕組みを概観した上で、2022年の民法改正で嫡出推定や認知に関する改正があったことが解説され、特に制 度が複雑になりがちな、認知、養子縁組に多くの時間をかけていました。養子縁組にも普通と特別の2つがあ り、それぞれ目的や要件が違うこと、認知というと父親が一方的にするような印象の行為ですが、逆に子から認 知を求めることや、された認知を拒否する嫡出否認、裁判による強制認知など色々あるのだなと思いつつ、そん なに認知をめぐるトラブルは多いのか?と、何か社会の闇のような部分も感じました。
      • 4時限 8月17日 / 家族の解消と題して、「離婚」に焦点を置いた講 義でした。まず冒頭に家族の解消とは単に離婚だけではなく、養子縁組の解消(離縁)も家族関係の解消に含ま れると解説した上で、この講義では受講生に身近な部分として離婚だけを扱うこととされました。離婚というこ とで、まぁドラマにでてくる「慰謝料、養育費」とか、「年金の分割」、夫婦間の財産の区別など、上澄みだけ を断片的にしか知らなかった話題をただの感情論ではなく、法的にはどう規定されていてどう決めていくのか (算定表の存在)などを知ることができました。離婚という1点だけで45分講義ができるほど、多くの規定が あり、家族となること(婚姻)は比較的簡単な反面、家族を解消すること(離婚)は、また他人に戻るという点 で、身分、財産などを確定させなければならず、非常に面倒だと感じました。
      • 5時限 8月23日 / 家族と子どもと題して、親権についての講義でし た。まずは親権とはどのように発生し、誰が有するものであるのかという基本から学習しました。字のごとく親 権といわれると親が子どもに対して行使する強権として捉えられ、戦前の家長のなごりから近年までは実際にそ のような運用がされてきていたが、近年、法改正があり、親権は子どもの利益を第一として、親が子に対して負 うべき「権利と義務」や子が親に対して保護などを求める「権利」として再定義されたとのこと。しかし、未成 年者の監護ということで、監護権や財産管理権といった大きな権限があること、その権限の行使にあたり利益相 反行為や児童虐待などの問題があることから、特別代理人の選任や児童福祉法による社会的養護といったセーフ ティネットを設けていることなども学びました。
      • 6時限 8月27日 / 家族の多様化と題して、家族の国際化(国際結 婚、離婚、親権)、複雑化する家族(国内における離婚、再婚)、性と家族(LGBT、性的志向、性自認、同 性婚など)についての時限ですが、講義では家族の国際化のみを取り上げ、後2つは自習するようにとのことで した。結婚は国によって婚姻可能年齢が異なるので、日本においては国籍国の婚姻の要件を満たした外国人が、 日本において婚姻をする場合は日本法により婚姻手続きができること、日本法により婚姻手続がされていれば、 離婚も同様である。ただし、離婚を認めていない国もあり、日本法においては離婚が成立しても、他方配偶者の 国籍国では婚姻のままとなる可能性があること、親権については離婚よりもなお複雑化する傾向にあることか ら、バーグ条約(日本も締結)により締結国同士では国際調整が図られるようになっているが、未加入国が相手 国だとかなり大変なことになるというお話でした。意外と離婚は簡単にできない国が多いそうで、日本のように 協議離婚なら紙1枚でさっと離婚できる国というのは少数とのこと。相続については、被相続人(死亡した人) の国籍国の法律が適用されるとのことでした。
    • 9月
      • 7時限 9月2日 / 家族と労働と題しての講義でした。ワークライフバ ランス、雇用機会均等法、残業規制、育児介護休業を概説する講義で、既修の「労働法」や「今日のメンタルヘ ルス」の復習となる内容でした。やはり既修の科目の先生の指摘でもあった、非正規労働者を労働者とみなすか 自営業者とみなすかによって受けられるセーフティネット(保障)が変わってしまうが、現状は実態で判断とい う形になってしまうので、統一的に保障を受けることができず、保証を受けられるまでに時間かかかってしま う、また場合によっては保証を受けられないということもあるという指摘は同じでした。
      • 8時限 9月12日 / 家族と貧困と題して、家族形態の変化(単独世 帯、夫婦のみの世帯の増加)により、従来は親族間で行われていた世代間の扶養能力が希薄になってしまい、今 後は特に年金等による公的再分配の制度が重要となってくること、別科目の貧困の諸相でも学習したように、体 力や健康面から就労が困難になる高齢世帯が貧困や、就労に制限がかかりやすいひとり親世帯で貧困に陥りやす いこと、それらを補完するための、最終的なセーフティネットとしての生活保護の役割と仕組みについて学習し ました。ほとんど今学期の履修科目「貧困の諸相」や、過去に履修した科目と同じ内容が含まれており、ほとん ど復習といった感じでした。講師の先生が違うのに同じ内容が様々な科目で出てくるということは、それだけ一 般的(重要)であることにもなると思うので、しっかり復習しました。
      • 9時限 9月18日 / 家族と高齢者・障害者と題して、介護保険と障害 福祉サービスに関する講義でした。それぞれの制度の概説と違い、特に「介護保険優先」であるため、65歳未 満で障害福祉サービスを利用していた人が、65歳になると介護保険対応の事業所やサービスへ強制的に移らな ければならない65歳問題や他の業種に比べて介護福祉に携わる方の報酬が少ないが、これは保険対応の事業所 は公的な統一料金で運営しているため、国が料金を値上げしなければ従事者の方の給料も上げられないが、料金 を値上げすれば利用者負担や保険料、国庫負担も増えてしまうというジレンマもあり、解決に至っていないとい う視点は、これらの制度を利用したことがない私にとっては色々と考えさせられる問題でした。




情報と法 (23)

  • この科目を選択した理由:こちらは情報コースの 科目ですが、今学期履修の法学科目としては3科目です。実は、今学期に法学を3科目も詰め込むつもりは全くな かったのですが、23年開講でもこの科目だけ、ちょうど4年目となる今学期26年2学期で閉講とのことで、 ちょっきり4年で閉講とは、人気がなかったのか、内容が陳腐してしまったのかどちらかは分かりませんが、いずれ 履修しようと入手したテキストが既にありますので、今学期履修しておかないとテキストが無駄になってしまいます から履修予定科目を差し替えて押し込みました。情報関係の法としては1年1学期の「情報学へのとびら」で少々か じりましたが、この時は、他にも情報学を総なめする科目だったので、情報法関係はざっと1コマだけで概観しただ けでしたが、とかく情報法はその体系が複雑すぎるのに、ざっと概観で、ほぼ消化不良で終わっていました。せっか くなのでこの消化不良を解消しようと考えて受講することとしました。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月26日 / こ ちらはラジオ科目です。1時間目からかなり飛ばしてきますし、テキストのページ順と解説が前後したり、テキ ストに書いてないことをかなり解説(脱線とも言う)したりと、講義についていくだけでもかなり苦労する感じ でした。解説も今学期法学3科目のなかでは、断然よく分からない感じで、とても導入科目(初学者向け)とは 思えません。正直これ総合科目じゃないのという出だしです。内容も情報法の体系という一番基礎ではありなが らも、「情報学へのとびら」の時にすでに挫折した部分であるので、いきなり消化不良感満載で終わりました。 このままでは2時限以降ついていけませんので、まずは16も出てきた法をAIの力を借りながら分野、体系的 に分類して、情報法の全体像をつかむことに注力しました。その甲斐あって、まず今時限の主題である情報法の 体系は大筋でつかむことができましたので、まずは一安心です。
    • 8月
      • 2時限 8月2日 / 「知的財産の創造、保護、活用の推進」と題して、 主に「知的財産基本法」の講義でした。1時限目でもそうでしたが、テキストに書いていないことをかなり話す 先生ですし、やはりテキストのページも飛び飛びです。何が要点なのかがかなり分かりにくい解説で、ちょっと 教え方はあまり上手くないのかなという印象を持っています。要点としては、知的財産の創造を推進し、それら をしっかり保護することは産業(国)の発展にとって重要なものであるが、国や地域によってはそれらが十分機 能していない例もある。これからのAI時代に向けて、AIの学習モデルそのものの権利関係や、AIが出力し たものの権利関係(AIの開発会社?、プロンプトを入れたユーザー?、学習モデルの提供者?)が明確に定 まっていないなどの時代に合わせていかなければならない問題もあるとの内容でした。
      • 3時限 8月14日 / 発明・考案・意匠の創作と題して、産業財産権法 の講義でした。3時間目にしてやっと脱線の少ない比較的分かる講義でした。特許、実用新案、意匠のそれぞれ の発生(原始)から、権利として確定するまでの手続手順、法的留意点などを詳解、発明等の考案者は必ず自然 人でなければならず、考案者は特許等を受ける権利と掲載権を原始取得するが、必ずしも考案者=権利者ではな いこと、特に企業等で業務として発明したものは、その取り決めなどにより、出願などの時点でその企業等に出 願する権利が移転する例と、発明された時点から既にその企業等に出願する権利が移転している場合の2つの形 態があるとのこと。最後に現代の情報ネットワーク、AI時代におけるプログラムの著作物などで、GUIは著 作権も含めて何ら保護される権利がないが、設定画面などについては保護されるという難しい権利関係の事例 や、産業財産権の他に著作権関係にも関連することとなり、従来の特許、実用新案、意匠に対して更に著作権が 相互に密接に絡むことも考えられるため、現代の個別の制度は必ずしも時代に追いついている訳ではない点の指 摘がありました。
      • 4時限 8月17日 / 商標の商品・役務との使用と題して、商標権を概 説する講義でした。前時限の知的財産権との決定的な違いとして、商標権は10年の保護期間であるが更新手続 が可能であり、半永久的な権利であることがポイントです。他、先願、先使用、要手続であることは他の知的財 産権と同様、設定手続もほとんど同様でした。地域団体商標登録という商標法の制度と、別法で地理的表示法と よばれる地理的表示(GI)も保護の対象となっているが、商標法と地理的表示法の相互が干渉する事態(地理 的表示法を含めて商標にしてしまう等)については規定がなく、また、先の知的財産権と同様に、著作権等別の 知的財産権との抵触に留意しなけれればならないこと、それぞれの知的財産権が干渉した場合の規定があいまい な部分があることは同様であるとのことでした。
      • 5時限 8月23日 / 営業秘密と限定提供データについての講義でし た。営業秘密とは、単にその管理者(事業者)が秘密とするだけではなく、具体的に秘密として管理されている とする3要件に該当することが必要であること、コンピュータのソフトウェアなどは、営業秘密として保護する か、特許権や著作権といった知的財産権により保護するかという2つの選択肢があることが詳解されました。限 定提供データについても3つの保護要件を満たす必要があることなどが詳解されました。その後、DRM(技術 的保護手段と権利管理情報)の概説、不正競争防止法と独占禁止法がそれぞれ相反するがそれぞれ事業者間の保 護と消費者の利益保護という別々の目的にあるという概略と、独占禁止法に対しては知的財産権法が原則優先さ れる(特許法では一部独占禁止法が特許権を取り消し得ることもある)ことが、不正競争防止法においては、未 遂も処罰される点や罰金額も億単位とかなり厳しい処罰規定があることも概説されました。営業秘密を保護して 企業の利益も保護しつつ、一般消費者の利益も確保しなければならないというバランスが難しいと感じた講義で した。
      • 6時限 8月28日 / コンテンツの創造・保護・活用の振興と題して、 コンテンツ基本法の概説でした。クールジャパン戦略の解説、デジタルコンテンツとして映画や放送大学の放送 授業を例に、原作(小説、脚本)があり、映像が製作(監督、出演者など)され、字幕やアフレコなどの編集も 加えられ、映画館等で公開、その後はDVDなどに映像化されるもので、多数の複雑な権利関係や知的財産権の もとにできていることが解説されました。その後はテキストにない、OCWやMOOCといった、前学期の日常 生活のデジタルメディアで出てきた内容が解説されました。ちょうど脱線した部分が、前学期にやっていた内容 だったので助かった感がありました。
    • 9月
      • 7時限 9月6日 / 著作物とその伝達行為と題しての講義でした。著作 物の著作者の権利は、著作者人格権と著作権に大別され、著作権は譲渡できるが著作者人格権は一身のみで譲渡 ができない、著作権は更に支分権に細分化され、主に複製権、上演・演奏権、上映権、公衆送信権等がある。著 作物を実際に頒布等するために、著作隣接権もあり、実演、レコード、放送、有線放送では、その著作物を最初 に実演や固定、放送したときにその事業者に権利が与えられる。著作隣接権も実演家人格権と著作隣接権に大別 されるが、実演家人格権には公表権がないことが特徴である。次に著作権が制限される例が示され、私的使用の ための複製や図書館における複製、教育目的での使用、視聴覚障がい者のための複製などがあり、いずれも営利 性がなければ許諾も著作権料の支払いも不要であることが解説されました。保護期間は著作者の死後70年、無 名、変名、団体等の著作物は公表から70年であるが、起算がその発生した年の翌年からの起算となる。また、 国によって著作者の権利や著作者隣接権は異なる運用がされており、相反する法理が含まれることもあり得るの で解釈や理解には注意が必要とのことでした。なんとなくしか分かっていなかった著作者の権利と著作隣接権の 違いや、保護を与える国の法によって取り扱いが違うことなど、色々学ぶことができました。
      • 8時限 9月13日 / 知的財産権管理と題して、著作権法による著作権 の管理、産業財産権法による産業財産権の管理に対し、コンテンツ基本法、著作権等管理事業法、産業技術力強 化法や信託業法による産業財産権の管理といった、大陸法系(著作権法、特許法)と、英米法系の信託法理(著 作権等管理事業法、産業技術力強化法、信託業法)が併存しており、異なる法理が併存している状況であること を学びました。知的財産権の管理はこれらを総合して考慮しなければならず、非常に複雑奇怪な状態であると感 じました。
      • 9時限 9月19日 / デジタル社会形成の推進と題して、世界最先端 IT国家創造宣言、デジタル社会形成基本法、官民データ活用推進基本法関係の分野の講義でした。かなり前数 時間とは違い、かなり理念というか抽象的な話が多く、つかみどころのない講義でしたし、国が色々基本理念や ら基本計画を練っているのはいいことだと思いますが、現実とかけ離れていて今の感じでは実現できそうにない 理想論を聞いているような不思議な感じがした講義でした。




宮沢賢治と宇宙 (24)

  • この科目を選択した理由:こちらも過去の公開講 演会に触発されての履修です。宮沢賢治という名前ぐらいは知っているという程度ですが、世間的には有名な宮沢賢 治を知りつつ、宇宙のことも知れそうなところで一石二鳥かなとも思って取りました。公開講演会で先生自ら、「天 文学にも素養があった宮沢賢治を通して天文学を学ぶという、今までどの大学でもやれなかったが放送大学で実現で きたやってみたかった科目」とおっしゃっていた記憶があります。そんな先生の熱意に押されたところもあります が、平均点がかなり低いので、今期の最警戒科目となりそうな予感です。
  • 最終感想: (最終講義終了後に書きます)
  • 受講の感想:
    • 7月
      • 1時限 7月27日 / テ レビ科目、注目の科目1コマ目です。初回講義ということもあって、宮沢賢治の短い人生をなぞる講義でした。 講義を聴いていて、「注文の多い料理店」が宮沢賢治だったこととか、全然結びついていませんでした。また、 宮沢賢治は生前期では一部文化人にしか評価されておらず、世間的にはほぼ無名であったこと、農業学校卒業、 農業学校の教諭という経歴もあって、文学などに時間やお金を充てることができるよう、まずは農民が豊かにな るために農学の研究をしたり努力していた、という意外な一面など、ほぼ知らなかったことばかりでした。農民 芸術概論綱要で「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」など、道徳心も強く、宗教活 動も盛んだったとのこと。講師の先生が生き急いだような人生と評していましたが、まさにその通りだと感じま した。ただ、いずれも短い生涯のため長続きせず、生前期では大きな成果は得られなかったとのこと。もし人並 みに生きていたらまたかなり違った人生であったのではないかと推察しました。
        これで放送授業全7科目の1時限目を受講し、それぞれの科目の大筋や雰囲気をつかむことができました。
    • 8月
      • 2時限 8月3日 / 賢治の文学を詩集「春と修羅」から読み解く講義で した。こちらは45分があっという間というぐらいに引き込まれた講義でした。この講義があっという間という 感覚は久々です。まず賢治の詩は「心象スケッチ」という見たものをそのまま、かつ科学的に表現するというス タイルで、自らは「詩」とは言わなかった(「詩集」という字をいくつも消した)との話や、春と修羅では、妹 トシの看取り(永訣の朝、無声慟哭、むせいどうこく)、死の受容(松の針)、そして賢治の詩の生まれといわ れる「高原」で締めくくられました。賢治は刊行後も自身の蔵書(宮沢家本)でその内容をいくつか修正してい ることがあること、方言を多用して読み手に臨場感を与えていること、製本時にも、詩の行を上下させたりして 気持ちを表していること、春と修羅の「序」では、科学的、仏教感がよく表れているとの読み解きでした。現代 人にとっては明治の詩は仮名遣いがかなり違うのでなかなか読みにくいものですが、この講義のように分かりや すく詩を読み解いてもらえると、挫折することなく詩の世界を楽しめると感じました。「詩は開かれた(オープ ン)なものであり、読み手によって解釈は多様である」という、行間を読むというか余韻を読むというのでしょ うか、前学期のアカデミックライティングでは「行間や余韻は不要」というところと真逆で、文学を学んでいる のだと感じたところでした。単位はかなり不安な内容ですが、いままで感じたことのなかった文学の奥深さを味 わえたと思います。
      • 3時限 8月14日 / 賢治の世界観イーハトーブ、現実の農業実践、そ れに続くグスコーブドリの伝記で、現実では叶わなかった農業実践を実現させ、農民の未来像を想像させる読者 へのメッセージを込めたことなどが解説されました。賢治の故郷である岩手県では、実践しようとした米の化学 肥料を用いた栽培や、チューリップなどの花の球根を育ててアメリカやメキシコに輸出するといった先進的な取 り組みは、すでに近隣の新潟県では行われていたものの、岩手の人々には怪奇に見られ、一部の賢治に近い人々 以外の協力は得られず、頓挫してしまった。賢治は、各地の農業会報はもちろん、世界の情勢にも目を向けてい たとされ、岩手の農会の数歩先を行っていたため、岩手の人々には受け入れられなかった。岩手が花の栽培に力 を入れ始めたのは、戦後のことだったそうである。賢治が非常に広い視点で先進的なものの見方をしていたとい うことがよくわかる講義でした。私の中ではこの講義を受講するまでは宮沢賢治といえばただの文屋ぐらいにし か思っていませんでしたが、結構な知識人であって、現場も嫌わないという知と体の両方を備えた人物であると 思うようになってきました。
      • 4時限 / 星好きとしての賢治と題して、幼少の頃から石などを収集する 癖があり、理科少年であったこと、更に発展して天文少年となり、上京を機に様々な天文学の書籍に触れ、後の 文学作品へその知識を取り入れていったという内容の講義でした。特に賢治独特の明るい星を「眼」と表現した ことは賢治オリジナルであったと考えられるが、講師の先生を初め、天文を趣とする者には明るく輝く星の視線 (見つめられている)と感じる例はあり、天文においては案外皆そう思っているのかもしれないといった考察 や、他の考察でも「〜と考えられる。かもしれない。」といった、やはり他の分野のように白黒正しくはっきり つけるものではなく、文学として、宮沢賢治という人の研究として、行間や余韻を読むという感じがやはり新鮮 だなと感じました。
      • 5時限 8月23日 / 銀河鉄道の夜への基礎となる作品群と題しての講 義でした。賢治の物語の読み方として、現実の世界〜現実と幻想世界の中間〜高次元の幻想世界(宇宙)〜夢落 ちという形で現実と幻想世界の間へ戻るという構成のものが多いこと、その例として「シグナルとシグナレス」 が紹介されました。更に銀河を走る鉄道というイメージを具現化した「冬と銀河ステーション」が紹介され、最 後には銀河鉄道のモデルとなった鉄道は?という考察でした。当時の賢治の故郷やその周辺には「岩手軽便鉄 道」「花巻電鉄」「日本鉄道(現:東北本線)」の3つを融合させた高次元幻想世界の「ハイブリッド型銀河鉄 道」であるという考察は、非常におもしろいと感じました。
      • 6時限 8月30日 / 宇宙に時間がない頃と題して、主任講師の谷口先 生が登場しました。なんと、今年の1月にお亡くなりになられたとの字幕が冒頭に入って驚きました。公開講演 会のときに一度やってみたかったというこの講義、渾身の最後の授業で夢を形にできてよかったと思いました。 ご冥福をお祈りいたします。
        さて、授業は谷口先生は6時限目で初めての登壇ですので、賢治についてさらっと解説したのち、賢治の「雲と 信号」の心象スケッチにも出てくる「時間のない頃」とは?という永遠の謎ともいえる問いかけに対して、現代 の天文学は「宇宙が生まれる前」という答えがあること、そして、宇宙が生まれる前はどのような状態であった のかという導入で天文学の授業へと入っていきました。宇宙が生まれる前は、「無」の世界であるが、その無は 全く何もないという訳ではなく、粒子と反粒子が生まれたり消えたり、揺らぎをを繰り返している世界で、有限 の確率で宇宙が誕生したというのが天文学の現状の宇宙誕生のシナリオの1つとされているそうである。
        無→インフレーション→ビックバンの順で宇宙が膨れあがり、現在もその時に発生し残された熱で宇宙は膨張し 続けているとされる。銀河や星がどうして生まれたという問いには重力を持つ「ダークマター」によって物質が 集められていき、銀河や星が生成されたという「階層構造的合体モデル」が紹介された。現在宇宙は138億歳 で、宇宙が生まれてから銀河が生まれるまでは2憶年、地球が誕生するまでは92億年かかったとされる。今ま でなんとなくしか知らなかったビックバンやダークマターといった点の用語が、自分の中でおぼろげながらも線 でつながったと感じた講義でした。
    • 9月
      • 7時限 9月6日 / 「銀河鉄道の夜」に学ぶ銀河と題して、まずは銀河 鉄道の夜の物語を読み解き、その後天の川とは?銀河とは?という天文学の講義に入りました。結論だけをまと めると、天の川は地球から見ると円盤状に見えるが、実際は銀河の中心にある棒状構造の物体を中心からずれた 地球から見ているので、円盤状に見えるだけとのこと、また銀河鉄道の夜に出てくる銀河鉄道は、実は対した距 離を移動しておらず、地球近傍の銀河を1700光年程度しか移動しておらず、これは巨大な銀河からみればほ んの僅かで、銀河を縦横無尽に自由に行き来していた訳ではないという物語と対照した解釈もおもしろいと感じ ました。
      • 8時限 9月14日 / 「青森挽歌」に学ぶ銀河と題して、青森挽歌に出 てくる「巨きな水素のりんご」と「玲瓏レンズ」という語句がかなり特異な表現であり、天文学を学んでいた賢 治は何を見て示したものであるのかを考察する授業でした。玲瓏レンズは「玲瓏」が「うるわしく照り輝くさ ま」であること、レンズは、銀河円盤を横から見たときのバルジの形状がレンズにも似ていることから、銀河円 盤のこと、巨きな水素のりんごは、宇宙の9割は水素ができていること、銀河はハローに囲まれており、ハロー は水素が大部分であるため、りんご=ハローという意であるとの考察でした。銀河のハッブル分類(ただし、現 代では誤りとされている)、宇宙の成分といった初見や初耳の話題も多く、小難しくスケールが大きい天文学で すが、賢治の作品から自然に大筋を掴むことができたと思います。
      • 9時限 9月19日 / 「いて座」の邪気と題し、賢治が「温く含んだ南 の風が」に書いた「射手の〜邪気」は一体何を見たのかという導入から、賢治の宇宙観は動的平衡であること、 いて座の中心にある超大質量ブラックホール(電波源やジェット)を邪気と見たという読み解きですが、実は賢 治がこの詩を書いたとき、まだいて座の中心には何があるのか分かっていない時代であったので、賢治の第六感 というか空間を感じる力というような不思議な才能の持ち主だったのだなと感じました。そのまま天文学として のブラックホールとは?という内容に移り、ブラックホールは何でも吸い込まれていってどこか四次元の異空間 にでも迷い込む場所かと思っていましたが、実は質量(重力)が極めて大きく、時空がゆがんでしまうので高速 の光すら出てくることもできず、様々なものがブラックホールの周りを周回し続けるか、ブラックホールに吸い 寄せられる(衝突)という状態の「天体(星)」であるとのことでした。そんな怖い怖いブラックホールは、実 は宇宙の中では最も単純な天体とされ、質量、角運動量、電荷の3つしか存在しないとのこと。これがどれだけ 少ないかは、地球と比較すれば、机があって引き出しの中には多数のモノがあり、外を見れば土や植物といった 様々なものがある。というたとえはああなるほどと思いました。そんな怖い怖いブラックホールですが、近辺は 新しい星も生まれるので、暗いイメージではなく、少し明るくも見えますよねという先生のお話もありました。 また、「発電」という言葉も多くつかっていたそうで、賢治が潮汐発電を詩に書いてから実現したのはなんと 30年後だったそうで、そんな構想もなかったであろう時代から潮汐発電を思いついたという、やはり常人には ない感性の持ち主であることを感じたエピソードでした。































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